見れば見るほど緻密な構成で作られた華やかなネオルネサンススタイルのエナメルのブローチです。

ブローチ全面に隙間なくエナメルの細工が施され、

デザインをしていないところが無いにも関わらず全体的にまとまっているのは

本当にセンスが良いと思います。

宝石を使っていないのに宝石のような美しさを感じますし、

手に取って見ているだけで豪奢な衣装に身を包んだルネサンスの貴族の肖像画が思い浮かぶようなブローチです。



土台は大変しっかりした作りで厚みがあり、

クローバーのような形で中央が盛り上がっています、

丸みを帯びたピラミッド型の素晴らしい色のラピスラズリがセットされています。

白、黒、黄緑、橙のエナメルが施され、

ブローチの縁には細かな彫金が施され控えめに輝きます。


黒エナメルの上に緻密に施された白エナメルは盛り上がっており立体感があり、

黒と白のエナメルの組み合わせはルネサンスのリングのベゼル裏の細工を思わせます。

橙色の十字のエナメルは透けており、

地金の彫りが見えて他のマットエナメルとは違った雰囲気でワンポイントになっています。


職人が技術を駆使して細部に渡って細かく丁寧に作り込んだ事が感じられるエナメル作品です。

エナメルのクオリティはカルロ・ジュリアーノにも匹敵しますがサインはありません。

サインがなくても素晴らしい作品があるのがアンティークジュエリーだなと改めて思います。






















黒いジャケットに合わせていますが、

暖色系のツイードのジャケットなどに合うと思います。