Eugène Fontenay作推定 エトルスカン・リヴァイバル様式 天然真珠 ゴールド ネックレス
19世紀後半、考古学的発見への関心の高まりとともにヨーロッパで花開いた
大変高品質なエトルスカン・リヴァイバル様式のネックレスです。
素晴らしい金細工で仕上げられており、
中央から左右にかけて艶やかな天然真珠を抱いた蕾を思わせるふっくらとした金の飾りが7つ連なり、
撚り線による縄状のチェーンが重量感のある垂れ飾りとなって優雅な曲線を描き静かな気品を漂わせています。
要所には菊花状の華やかなロゼット文様の精緻な金細工があしらわれていますが、
このようなロゼット文様は、古代メソポタミアやエジプト、そして古代ギリシャ・エトルリアの装身具にもよく見られる意匠です。
こうした立体的なロゼット文様は、
古代ギリシャやエトルリアの装身具に着想を得たフォントネーの作品にしばしば見られる特徴的な意匠のひとつです。
ウジェーヌ・フォントネー(Eugène Fontenay、1823–1887)は、19世紀後半のパリで活躍した金細工師であり、
古代ギリシャ、ローマ、エトルリアの装身具を深く研究し、グラニュレーションや撚り線などの精緻な技法を駆使した作品で知られています。
本作に見られる立体的なロゼットや古代の意匠を洗練された装身具へと昇華させる感覚は、
フォントネーの作品と近似しており、
当時は作品に制作者のサインを入れることが必ずしも一般的ではなく、
本作にもサインは確認されませんが、
ネックレスの例外的に高品質な仕上がりからフォントネーによって制作された可能性が考えられます。
フォントネーは1852年にはポルトガル女王マリア2世のためにルネサンス様式の扇を制作し、
1858年にはナポレオン3世の皇后ウジェニーのために宝石を付け替えることのできる豪華なティアラも手がけています。
フォントネーの作品は現在、メトロポリタン美術館やパリ装飾芸術美術館など、世界の主要な美術館に収蔵されています。
金細工のしっとりとした重量感の中に天然真珠の優しさが加わり
女性らしい優美さを感じさせる考古学スタイルのネックレスです。
エトルスカン・リヴァイヴァル様式 ゴールド ピアス
右
作品名:エトルスカン・リヴァイバル様式 ペンダント
制作者:ウジェーヌ・フォントネー作と推定(フランス、1823–1887年)
制作年代:19世紀中頃〜後半
メトロポリタン美術館
左
作品名:ネックレス
作者:ウジェーヌ・フォントネー(フランス、1823–1887年)
制作年代:1870年頃
メトロポリタン美術館