1780年頃 フランス 愛の記念 C+F イニシャル センチメンタルリング
18世紀後期、フランスで制作された美しいセンチメンタルリングです。
大きなベゼルの中には二色の髪が丁寧に編み込まれて収められています。
これは二人の人物の髪をひとつに編み合わせたものと考えられます。
中央には C + F のイニシャルが配されており、たとえば Catherine と François など愛し合う二人の名前を表しているのでしょう。
イニシャルの上には王冠のモチーフが添えられており結婚や誓いを象徴する意匠と考えられます。
髪をジュエリーの中に収めるセンチメンタルジュエリーは、18世紀から19世紀にかけて、愛情や記憶、永遠の絆を表すものとして大切にされました。
二人の髪をひとつに編み込み、イニシャルと結婚の象徴を重ねたこのリングはまさに愛の証と呼ぶにふさわしい作品です。
細かく繊細に編み込まれた髪、端正なベゼルの造形、優美なイニシャルの意匠が美しく調和した、クオリティの高い一点です。
特に髪の編み込みはまるで布のように精緻で当時のヘアジュエリーに携わった専門職人による高度な仕事であったことがうかがえます。
表面のガラスは艶やかに磨かれ緩やかに湾曲した形にととのえられており、
そのなめらかなガラス越しに内部の髪細工とイニシャルの装飾が柔らかく浮かび上がります。
18世紀のヘアジュエリーはコンディションに難があるものも少なくありませんが、
こちらのリングは非常に良いコンディションを保っています。
愛する人の髪を宝石のように大切に収め当時を生きた人々の繊細な感情の美しさを今に伝える一点です。
愛の進歩 ラブレターズ 1771-72
ジャン=オノレ・フラゴナール 1732-1806
フリックコレクション ニューヨーク

