マリー・アントワネット時代 フランス ブルークリスタル コスチュームジュエリーリング
ヴェルサイユの輝きが遠ざかり革命の時代へと向かう18世紀末フランス。
1790年頃に作られたこのリングは金やダイヤモンドを用いた宮廷の豪華なジュエリーではなく
町の女性たちがパリや宮廷の流行に憧れ小さな華やぎを日々の装いの中で楽しんでいたことが感じられる
チャーミングなコスチュームジュエリーです。
メタルやシルバー、クリスタル、ガラスといった身近な素材で作られた当時のイミテーションジュエリーで、
長方形のベゼルにはギヨシェ装飾の上にブルーのクリスタルがセットされ、中央にはダイヤモンドではなくガラスが留められています。
宮廷の贅沢が批判の対象となり社会が大きく揺れ動いていた時代にも、人々の美しいものへの憧れが消えることはなく
このリングは裕福ではない人々でさえ美しいジュエリーを身につけたいと思っていたことを示しています。
フランスの女性たちはエレガントでありたいと願っていましたが、
それはもちろん都市部の女性たちの感覚で
当時のフランスの田舎では女性たちはあまりにも重労働をしなければならず指輪を身につける余裕はなかったと思われます。
現存する18世紀のアンティークジュエリーは金や宝石を用いた高価な品が中心ですが、
一方で、このような一般向けのイミテーションジュエリーは、
素材の性質上、壊れたり処分されたりしやすく、後世まで大切に残されることは多くありませんでした。
そのため、このようなリングが状態よく現存していることは非常に稀で興味深く、
当時の人々が実際に楽しんでいた装飾文化を伝える貴重で愛らしい作例といえます。
マリー・アントワネット時代の小さな宝物のようなリングです。
Louis-Léopold Boilly
《Portrait of a Young Woman》
c. 1798–1799
The Metropolitan Museum of Art
この身元不詳の若い女性の肖像は、18世紀末フランスにおける新しい中産階級のエレガンスをよく伝えています。
The Public Promenade(公共の散歩道/公共の散策)
ルイ・フィリベール・ドビュクールLouis Philibert Debucourt
1792年
