Robert Linzeler アールデコ ダイヤモンド カボッションサファイヤ リング 指輪
ランゼラー(Robert Linzeler 1872-1941)が手掛けた、
洗練を極めたアール・デコのダイヤモンドプラチナリングです。
プラチナの土台に繊細なミルグレインを施し、
縦一列に配したオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド3石(推定総計約1.80ct)が眩い輝きを放ちます。
主石を縁取るのはふっくらとした丸みを帯びたカリブレカットサファイア
深いロイヤルブルーがクリアなダイヤモンドを引き立てリング全体に建築的なコントラストを添えています。
ベゼルの縁とショルダーには小さなダイヤモンドが敷き詰められ、どの角度からも光を取り込む構造です。
ベゼル側面には幾何学的透かし彫りが施され軽やかさと着け心地を両立しています。
20世紀屈指のパリ・ジュエラーが残した、時代のエスプリを凝縮した逸品です。



当時のオリジナルボックスに入っています。
〜 Robert Linzeler 〜
ロベール・ランゼラー(1872-1941)は、名門ジュエラーの家系に生まれ、
卓越した技術でカルティエ作品の制作にも携わっていました。
彼のブティックは 1923 年まではマドレーヌ大通り 15 番地に、
その後は平和通り 4 番地(4 rue de la Paix)へと移転します。
ホテル・リッツが開業した 1898 年以降、
ヴァンドーム広場と平和通り界隈は世界中の宝石商を魅了する一大拠点となりました。
1922 年から1925年までランゼラーはアレクサンドル・マルシャクとパートナーシップを結び、
この「ランゼラー=マルシャク」は 1925 年のアール・デコ博覧会で栄えあるグランプリを受賞しました。
マルシャク家について触れておくと、創業者ジョゼフ・マルシャクが 1878 年にキエフでメゾンを設立。
その息子アレクサンドル(1892-1975)は 1917 年にロシアを離れてパリへ渡り、カンボン通り 48 番地に拠点を開いたのち、
ランゼラーとともに平和通り 4 番地に店を構えます。
1926 年にはアレクサンドルがその店を継承しました。
ランゼラーは 1927 年にジュエリー界から引退し、その後は公的競売のエキスパートとして活躍しました。