13世紀 サファイヤ リング
約800年も前に作られ、現在も美しいコンディションで残っている大変珍しい中世の夢のリング、6角形のタルト型のベゼルに石の周囲を包み混むようなセッティングでカボッションカットサファイヤがセットされています。
フープには小さな山形と丸の装飾が一周くるりと施されています、このサファイヤの産地はおそらくセイロン産だと考えられます。
ごく小さな欠けと亀裂がサファイヤに見られますが、オリジナルストーンが保たれたされた極めて美しいコンディションを保っています。
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アンティークレッスン 中世の石付きの指輪 12世紀〜14世紀
このリングはおそらく、身分の高い男性が所有していたものでしょう。
14世紀にルビーが流行する以前は中世の男性にとってサファイヤは最も美しい宝石でした。
当時、サファイヤは天国と聖母マリアと繋がりがあるとされ、特に司祭用の指輪として用いられた宝石だったのです。
聖ルイ王(1226年?1270年)もサファイヤのインタリオリングを所有していたことがわかっています。
1cmの小さなベゼルですが、この大きさのサファイヤは中世当時には極めて貴重で、このようなリングは限られた王侯貴族や司祭しか身に着ける事が出来なかった幻の指輪だったのです。
当時の位の高い男性がこの指輪を嵌めて生きていた事を想像してみて下さい、、、、、。
フープには山形と丸形の細かな模様が一周くるりと施されています。
フープには山形と丸形の細かな模様が一周くるりと施されています。
セッティングの拡大、ごく小さな欠けとヒビが確認できますでしょうか?
この指輪が生き延びた年月を思えば、ごく僅かなダメージで済んでいるのは奇跡的に良いコンディションと言わざるをえません。
ベゼル裏。
フープ裏。
美術館級の大変貴重なリングですから、サイズ変更などはしないほうが良いでしょう。
20号と大きなサイズですが、このようなリングは身に着けて楽しむというよりは
、たまに指に嵌めて遙か昔の中世へ思いを馳せて楽しむ贅沢なリングなのです。
装飾品というよりは美術品ととらえた方が良いでしょう。