フランス文化省発行 文化財輸出証明書鑑定書付き TL(熱ルミネッセンス)年代測定済 紀元前480〜430年頃 古代ギリシャ 白地レキュトス 墓参の情景
静かな祈りの時間が、そのまま器の中に封じ込められたような、
古代アテネの白地レキュトスです。
この作品は、紀元前5世紀前半(480–430 BC)に制作されたと判定され、
当時のアッティカ陶工の中でもとりわけ繊細な描線で知られる
「ベルリン2459グループ(Groupe de Berlin 2459)」への帰属が認められています。
描かれているのは墓前での献供(訪墓)の情景。
リラを奏でる青年のそばで、女性が供物台へ手を伸ばし、
さらに花冠を結ったもう一人の女性が捧げ物の布を携えています。
白い地肌の上に残る赤褐色の彩色、ほとんど羽のように軽い線描。
今では消えかけていますが、
その儚さこそが白地レキュトス特有の美しさを際立た
古代の音楽が聞こえてくるようなロマンを感じます。
上部にはメアンダー文様がめぐり、肩には黒絵で植物文が描かれ、
古代アテネの工房の典型的なレイアウト。
高さ34cmの堂々としたサイズで、存在感も格別です。
本作品には、以下の二つの主要資料が付属します。
① ARCHEOLABS TL(熱ルミネッセンス)年代測定証明書
採取した2点のサンプル(胴部上部・底部)から「古代の焼成で間違いない」との結論が得られ、
年代は circa 480 BC と明確に示されています。
② フランス文化省発行「文化財輸出証明書(Certificat d’exportation)」
作品名は
「墓参の情景で装飾されたレキュトス(Lécythe décoré d’une scène de visite à la tombe)」
と正式に記載され、
アトリウス工房 / ベルリン2459グループへの帰属、
年代 circa 430 BC が公的に認められています。
さらに証明書は“PERMANENT(永久)で、
作品の正当な流通を保証する書類です。
資料がこれほど揃った白地レキュトスは現代の市場ではきわめて稀です。
古代ギリシアの祈りと音楽、儀式の静けさを宿した美術館クラスの一点です。
古代ギリシャの画家が描いた古代の情景をお楽しみください。
