紀元前1300~950年頃 銀製スイベルリング スカラベ象嵌ラピスラズリ付
ベゼルは聖なる甲虫スカラベの姿にかたどられ、
オリジナルではありませんが古い年代の鮮やかなラピスラズリが嵌め込まれています。
スカラベは古代エジプトにおいて太陽の再生や永遠の命を象徴する重要なモチーフでした。
このリングの特色は、ベゼルの裏面に施されたスカラベを模った透かし彫りです。
装飾性と象徴性を兼ね備えたこの意匠は、身を守る護符としての役割を担っていた可能性があります。
「エジプトまたはカナン製」とされる背景には、
当時の広範な文化交流があり、
カナン地方(現在のイスラエル、パレスチナ、レバノン南部など)は、地中海交易の要衝として栄えており
エジプト美術の象徴モチーフを受け入れつつ、カナン地方の影響も受けた
このような美しいジュエリーが制作されていたからです。
シルバー製の古代ジュエリーは内部が脆くなっていることが多く、
実際に身につけて楽しむというよりはコレクションに適した作品で
はるか昔の古代世界の文化交流に想いを馳せられるリングです。
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