R.LALIQUE ルネ・ラリック サイン入り アールヌーヴォー メンズゴールドリング「アンドロメダ」
ひと目見た瞬間に心を奪われるルネ・ラリック作の芸術性溢れる素晴らしいカメオリングです。ルネ・ラリックは説明がいらないほど偉大なフランスのアーティストとして数多くの芸術作品を残してきましたから、ご存じではない方は是非調べてみて下さい。
現存するラリック作品の中でも指輪というアイテムは極めて極めて珍しいです、さらに珍しいリングの中でもカメオがセットされたリングは、この作品以外はまず無いと考えても良いと思います。
何故このような素晴らしい例外的な作品がラリックから生まれたのか?
珍しくて素晴らしい作品には、生まれた訳があります。
セットされているのは18世紀のとても古いシェルカメオです、白いシェルカメオが明るく白っぽい色のゴールドの指輪に良くあって、そこにあるのに無いような幻想的な雰囲気を持っています。写真では伝わっていないのが残念です。。。
ラリックの作風からすると、このような古いカメオをセットするのは普通の事ではありません。
おそらく、このリングはこのカメオを所有していた人物の注文によって作られたジュエリーでしょう。
このカメオのモチーフは神 話に出て来るエチオピアの美貌の王女「アンドロメダ」です。手を鎖で拘束され怪物の生け贄となりつつあるアンドロメダからはエロティシズムを感じます、 アールーヌーヴォーの芸術様式の特徴の一つにエロティシズムがありますから、このカメオはアールヌーヴォーの流れにあった題材です。
そして、メンズジュエリーのモチーフの趣向として魅力的で官能的な女神や女性が選ばれる事が多いですから、このカメオ作品はメンズジュエリーにぴったり題材です。
注文主は18世紀のアンドロメダのカメオという素晴らしい題材を、当時の偉大なアーティストであるラリックに依頼して芸術性溢れる指輪へと生まれ変わらせました。
この指輪を注文した男性が非常に洗練された趣味をもった人物であった事をこの指輪から強く感じます。
美しいカメオを柔らかく囲んでいるのは素晴らしい植物文様の装飾です。
葉の美しい流れのデザインも優れた仕上がりで、偉大なアーティストによって特別な作品として作られた事を感じます。
カメオ拡大。
18世紀の古く小さシェルカメオです。
シェルカメオはストーンカメオ似比べるとずっと壊れやすいので、カメオ自体が貴重な作品です。
反対側。
裏面。
LALIQUEの刻印入り。
指輪にこの刻印を確認出来るのがとても嬉しいです。
LALIQUEの指輪は珍しいですから。
大きさはこの位です。
この指輪が存在している事自体が素晴らしいですが、さらに素晴らしいのはオリジナルボックスも残っている事です。
R・LALIQUEのネーム入り。
このCours-la-Reineの店名は1902年〜1904年の間のもので、その後はヴァンドームへ移っていますから、この作品はその2年の間に作られた指輪であることがはっきりわかります。
Cours-la-Reine40番地、現在の姿です。