ここまで細かいモザイク作品も久しぶりに扱います(^-^)
モザイク作家ジャコモ・ラファエリのリングです、
ジャコモ・ラファエリ作品には、サインがないものも多いですが、
参考作品も掲載しておりますので、ご覧ください。
マイクロモザイクはイタリアで生まれた技法のひとつで、
テッサラと呼ばれるガラスで出来た一ミリにも満たない極小のパーツを無数に隙間なくはめ込んで
筆で描いた絵画のように仕立てる驚異の技法です。
このような質の高い物になると、あまりのパーツの細かさに
ずーっと見ていると本当に目が疲れます、、、
もし、パーツの数を数えようとするなら針で一つ一つ確認しながらじゃないと無理でしょう(苦笑)
そして、モザイクの表面を指で触れるとスベスベしており、
無数のパーツをはめ込んだことが嘘のような滑らかな触り心地をしています。
現存する古代ローマのモザイクには、
特にポンペイから来た非常に小さなテッセラを用いた、
極めて精巧に作られた詩情溢れる作品があります。
モザイクで鳥のカップルのモチーフはとても珍しいですね、
卵を温めながら巣作りをしているチャーミングな図柄に
心癒されます。
指輪はこのように回転式ですので、、、
くるっと回すと、裏面にはエナメルで GM のイニシャルが、、、
卵を温める鳥と、枝を持ってきて巣を作っている鳥がモチーフに選ばれておりますので、
恐らく妊娠や結婚を祝って
愛の贈り物としてオーダーされたリングだと思います。
イニシャルのGMは、カップルのイニシャルを合わせたものかもしれませんね。
このように一円玉と比較すると
実物の細かさ、感じて頂けるかな?と思います。
でも、実物の雰囲気の良さはなかなかお写真では伝わりません。
光を反射させた画像だと、パーツがくっきり浮かび上がります。
拡大画像ですと細かさが伝わりにくいかな?と思いますが、
このように一つ一つはめ込んで行くのです。
パーツを嵌める方向を工夫することで勢いや丸みを表現しており、
モザイクで絵を描いているようですね。
モザイクはそれぞれ上下のパーツが二つずつ外れていますが、
アンティークモザイクとしては驚異的なコンディションの良さ、
モザイク作家、ジャコモ・ラファエリの作品は以前にも扱ったことがありますので、
ご覧になってください。
こちらは以前扱ったジャコモ・ラファエリのリングです。
ラファエリ作のモザイクは卓越したテクニックは勿論、
愛らしい動植物の表現、独特の縁取りが施されていることが多いです。
今回のスイベルリングからもラファエリ作の特徴を感じます。
ジャコモ・ラファエリ モザイク
スェーデン国立美術館所蔵
「最後の晩餐」
ジャコモ・ラファエリ作 モザイク
ウィーン ミノリーテン教会
このリングを制作したジャコモ・ラファエリは、最も重要なマイクロモザイク作家でした、
最高傑作と言われているのが、この最後の晩餐、ジュエリーとは全く違った迫力があります、
まるで絵のように見えると思いますが、、、
拡大すると、、、
モザイクでできていることが分かります。
近づくと、恐らくもっと細かいと思います。
ジャコモ・ラファエリ モザイク リング
ラファエリの作品は裏にサインがありますが、
このスイベルリングは裏面にイニシャルが描かれている為にサインがありません。
ジャコモ・ラファエリ モザイク
ヴィクトリア&アルバート美術館所蔵
ジャコモ・ラファエリ モザイク
ジャコモ・ラファエリ 参考作品
とても可愛いモザイクのリング、
驚異の仕事とは裏腹に
素朴な温かみがあるアンティークジュエリー です。