1770年頃 3層アゲート バッカス カメオ クラバットピン
1770年頃のバロック様式の香りが残るカメオ、
モチーフはオリンポス12神のバッカス神です。
使われている石は3層のとても面白い石で、
センスの良さを感じさせるアゲートが素材に選ばれており、
独特のチャームを持ったカメオと言えるでしょう、
石の色味で同じ3層でも印象がまるで違う物になりますので、
お洋服の色味に合わせてお使いになるのが素敵だと思います。
2層カメオ、3層カメオにはそれぞれの良さがありますが、
3層カメオの場合は、彫るのが難しいので
2層カメオに比べると数は少なく希少という印象です。
赤色の斑点が見られる層と
キャラメル色の層を巧みに彫り分けて彫刻が施されています。
笑みを浮かべた目元や頬の自然な膨らみなどの
生きているような繊細な表現の彫りが大変美しいカメオで、
生き生きとした魅力を感じます。
当時、古代ローマ遺跡へラクラネウムが見つかったことで
古代ギリシャ・ローマ時代の芸術や神話はとても人気があり、
その情景が様々な芸術作品に昇華されました。
17世紀〜18世紀の間に、イギリスの貴族階級の若者の間では
イタリアやフランスへ赴くグランドツアーで、
芸術、文化、政治、洗練された社交を学ぶことは大切でした、
そのような若者が自身の為、もしくは高級なお土産として作らせたか、
または、イタリアやフランスで古代遺跡に夢を馳せる上流階級によって
注文されたカメオと思います。
モチーフはバッカス神ですが、
酒神ですから、ワインをこよなく愛している方の
注文だったのかもしれませんね(^-^)
クラバットピン として仕立てられています。
男性はもちろん、女性が身につけられても素敵です。
ツイードのジャケットなどとも相性が良いと思います。
カメオ作品は身につけると、本当に上品ですので
おすすめです。