ネオルネサンス ハドリアヌス帝 エメラルド インタリオ リング
八角形のべゼルに希少なエメラルドのインタリオがセットされた
ネオルネサンススタイルの重厚なリングです。
エメラルドは柔らかな石なので、カメオやインタリオ等の彫刻には向かない為に
大変珍しいものです、特にインタリオはより希少でしょう、
もしカメオやインタリオがあっても、彫りがいまひとつであったり石の色が薄い場合が多いのですが、
このインタリオは色も深く同時に明るいとても上質のエメラルドが使われていますし、
18世紀頃の古い作で古代ローマのハドリアヌス帝をモチーフとしており、
彫りもエメラルドに施したとは思えない程に深く出来映えがよく
繊細でかなりの技量の彫刻師が彫ったものと思われます。
八角形のべゼルに丸いエメラルドがセットされているのが、
まるで、緑色の泉の水面に古代ローマ皇帝の顔が浮かび上がっているような印象を受けます。
八角形のべゼルはふっくら膨らんだドーム型をしており、
エメラルドを覗き込むと深い奥行きがあるように見えるのも美しいです。
この希少なエメラルドのインタリオの美しさを最大まで生かすために、
ジュエラーはネオルネサンススタイルの重厚なデザインを合わせたのでしょう、
オレンジ、グリーン、ブルー、ホワイト、ブラックの多色使いのエナメルは
あくまでエメラルドのインタリオを引き立てる為にやや控えめにワンポイントとして施されているのもいいですね。
エメラルドのインタリオは希少なので、この指輪の背景を想像してしまいますが、
18世紀頃の作のインタリオですから、本物の古代ローマ遺跡から発掘されたインタリオを元にして
貴族が特別に注文してコレクションとし、後に子孫がインタリオのコレクションの中から
このエメラルドのインタリオを取り出して特別に仕立てさせた指輪なのかもしれません。
どちらにしても、希少なエメラルドのインタリオの美を最大限まで引き出すことを考えられて作られた指輪です。
エメラルドのインタリオですが、美しい彫りです。
べゼルはドーム状に盛り上がっているので、エメラルドを覗きこむと奥行きが感じられて美しいです。
シャンクの装飾もオープンワークになっており、多色のエナメルが細かく施されています。
フープの線状の装飾もすっと伸びてエレガント。
18号のサイズですが、裏側に金をつけてサイズ変更は問題なく可能です。
このインタリオのモチーフと思われる、古代ローマのハドリアヌス皇帝のコイン。
どちらがルネサンスでどちらがネオルネサンスの指輪かわかりますか?
左がネオルネサンス(ルイ・ヴィエーズ作)、右がルネサンスのリングです。
今回ご紹介をしているネオルネサンスのリングですが、大変作りがよく重厚で
上質のエメラルドの希少なインタリオをセットした例外的な作品ですので、
サインはありませんが、ヴィエーズのような有名なジュエラーの作である可能性は十分あります。
当時はまだサインを必ずいれるという習慣がなかった為に、有名なジュエラーの作品であっても
サインがないことはよくあることでした。
作品動画