18世紀 サティーフ カメオ リング
森の住人サティーフをモチーフにしたカメオ。
アゲートの線状の模様を効果的に使い、斜め上を勢い良く見上げるような構図で
彫りこまれた素晴らしいカメオです。
写真ではわからないのですが、頭部に比べて顎部分が僅かにせり出して彫られており、
斜め上の目線と相まって仰け反るようで、サティーフの躍動感が伝わって来るような、
ダイナミックな生命力にあふれているのですが、
頬の隆起や鼻の形、小さな角、柔らかな巻き毛やヒゲ、小さな歯などの表現が
とても繊細であることに驚かされます。
陽気で臆病な半人半獣として表現されることの多いサティーフは、
ニンフと森で戯れたり、お酒を飲んだり、音楽を楽しんだり、自由に気ままに過ごしています。
オリンポス12神のディオニソスと過ごすこともありますが、
サティーフは神とは違い、寿命があり、死すべき身であり、その姿は青年〜老年で表され、
古代の壺などにもサティーフの姿はよく描かれています。
サティーフは古代ギリシャ、ローマ時代の神話に登場し、
後年になっても、多くの芸術家達にインスピレーションを与える存在として
絵画や彫刻の題材となります。
サティーフは男性性の象徴としての性格もあり、18世紀当時に自由に生きることを重んじた
リベルタンの男性が身につけていた、とてもお洒落なカメオリングなので、
特に男性の方にお勧めしたい作品です。
柔らかなアゲートの色合いがしっくりと肌色に馴染んでくれます。