エジプトマニア プリカジュール エナメル ペンダント
黄緑のマットなプリカジュールエナメルとピンクがかったルビーの組み合せ、計算し尽くされた完璧なバランスの可憐なエジプトマニアの素晴らしいネックレスです。エジプトマニアが流行し、作品が作られた期間は短いので、ジュエリーではとても珍しい作品になります。
このペンダントのモチーフは古代エジプトを象徴するロータスです、ブルーロータスは古代エジプトの壁画によく登場する花で、夕方に花を閉じ、翌朝に花開くリズムから、生死、復活を象徴していると考えられたり、水面の地中から細長い茎をつたって花が咲く様子も、神々の力が地中より登ってくると考えられていたようです、さらに、ロータスの香りをかいだり、食べたりすることで脳へ刺激を与えることもわかっており、古代エジプト人にとっては神の力が宿った神秘的な花として、その力を信じないわけにはいかない大切な植物だったのでしょう。

このペンダントの最大の見せ場は、やはりロータスが空へ向けて花開く様子を表したところですね、三角形にカットされたルビーと菱形のプリカジュールエナメル部分、ロータスの蕾が左右に伸びているところに、エジプトらしさが表現されており、この抜群の安定感の計算しつくされたバランスが本当に素晴らしいです、身につけていると、アーティストが作った作品であることがひしひしと伝わり、可憐な作品に満足できるでしょう。
綺麗に磨かれて艶感のあるルビーとマットな黄緑色のエナメルの組み合せのバランスがとてもいいですし、
ルビーも縁が面取りされていて、丁寧にカットされています。

左右に伸びる蕾の表現がエジプト風で可愛いです。

ロータスの花の根元のカリブレカットのルビーのラインもキュッと引き締まるアクセントになっています。

正面から見ると繊細で壊れそうな作りに見えますが、側面から見ると厚みのあるしっかりした丈夫な作りであることがわかります。

裏面もとても綺麗に仕上げられているんですよ、天然真珠も小さいのですが、きちんと綺麗なものが使われています。


動画はこちらからご覧頂けます。
1910年のカルティエのエジプトマニアのジュエリーのデザイン画
ヨーロッパでエジプト美術が流行し、愛された理由は、ナポレオンのエジプト遠征の際に出版された「エジプト誌」が始まりです、この書物は遠征に同行した画家達によって描かれた美しい挿絵が銅版画で掲載され(その絵はコピーでは詳細が不鮮明になるほどに細かな描写)、その貴重な書物は写真がなかった当時のヨーロッパ社会に大きな影響を与え、人々を熱狂の渦に巻き込みました。
人々は古代エジプトに憧れを募らせ、1860年以降はジュエリーのデザインにもエジプシャンリバイバルとして影響が見られ始め、ジュエラー達もエジプトマニアの作品を作っています。
1921年、スフィンクスのペンダント カルティエ製

1925年 カルティエ ロータスの花のモチーフに頭部がのっているジュエリーのデザイン画 & ジュエリー。
実際に古代美術や壁画にも、ロータスから頭が出ているものがあるんですよ。
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