ナポレオンのエジプト遠征の際に制作された『エジプト誌』には、遠征に同行した画家達によって描かれた美しい挿絵が銅版画で掲載され(その絵はコピーでは詳細が不鮮明になるほどに細かな描写)、その貴重な書物は写真がなかった当時のヨーロッパ社会に大きな影響を与え人々を熱狂の渦に巻き込みました。
人々はまだ見ぬ古代エジプトに憧れを募らせ、1960年以降はジュエリーのデザインにもエジプシャンリバイバルとして影響が見られます。
この素晴らしい彫刻クラバットピンもエジプシャンリバイバルジュエリーの一つです。
360度どこからみても、素晴らしい彫刻でいつまでもクルクルと回しながら眺めていたくなります。
小さな彫刻作品は拡大しても、そのクオリティを失いません、品質の悪い作品はルーペなどで見ると彫刻が荒い場合が殆どです。
カメオもそうですが素晴らしい彫刻作品の特徴は拡大写真でみても、そのクオリティを失わないことにあります。
写真で見ると大きく見えてしまいますが、実物は2,2cm×1,5cmと、彫刻の出来映えからすると驚異的な小ささです。
アゲートの微妙な濃淡を巧みに彫り分け、ファラオンの褐色の顔と頭飾りを彫り分けています。
当時の上流階級の男性の胸を美しく飾ったことでしょう。