Harpocrates 沈黙の神 ハルポクラテス 二コロインタリオリング
丸みを帯びた美しい二コロのインタリオをセットした、18世紀の繊細なシャンクをもつ指輪です。
モチーフは、口にそっと指を当てた少年 ― ギリシャ神話に登場する沈黙の神ハルポクラテースです。
ハルポクラテースを描いたインタリオは大変珍しく、滅多に見ることのできない興味深い作品です。
ハルポクラテースの起源は古代エジプトに遡ります。
本来は太陽と天空の神ホルスであり口に指を添えるポーズは「沈黙」を意味したものではなく
エジプトにおいて「子供」を示すヒエログリフでした。
つまり、この姿は沈黙の神ではなく「子供のホルス神」だったのです。
幼いホルス神は日々昇る太陽や植物の芽生えに象徴される生命力を表す存在でした。
やがてギリシャ人の解釈によって“沈黙の神”ハルポクラテースへと変化していきます。
この変遷そのものが文化の交流と誤解そして新たな神格の誕生を示す、とてもダイナミックで興味深い現象です。
この指輪のインタリオ自体は古代ローマ時代のもので18世紀にこのシャンクへと組み込まれました。
その背景には当時ローマで次々と古代遺跡が発見され、
人々が熱狂的に古代への憧れを募らせた時代的な流れがあります。
古代ローマの夢を追い求める18世紀の人々の姿は、
現代の私たちが古代世界に心惹かれるのと何も変わらないのだと感じさせてくれます。
この指輪を最初に注文した人は、とても幸運でした。
というのも、本物の古代ローマのインタリオを手に入れられたからです。
当時は数が限られており希少性ゆえに本物を入手できることは稀で
多くの場合は“古代風”に彫らせたインタリオで代用されていました。
その意味でも、この指輪は特別な存在といえるでしょう。
この二コロは、インタリオの彫刻の周囲を石の白い部分が縁取りのように囲っているタイプです。大変美しいですね。
大きさはこのくらい、小さな作品です。
粘度に押した画像。
大変珍しいモチーフである沈黙の神ハルポクラテースが浮き上がります。
このポーズは神秘的でもあると同時にチャーミングでもありますね。
18世紀の美しく繊細なシャンクにセットされています。
シャンクには美しい彫刻が施されています。
若干の摩耗に、この指環が確かに愛されてきた証を感じます。
真横。
裏面。18世紀のシャンクの裏らしい美しい彫刻が施されています。
古い指環ですが、サイズ変更可能です。