ダイヤモンドボタン付き 王族・公爵のカードケース フランス 1740〜50年代
素晴らしく贅沢で貴重なカードケースです、
全体的に手の込んだ仕事がしてありますが、注目すべきところはダイヤモンドが周囲に鏤められているところでしょう。18世紀初期はダイヤモンドは極めて貴 重でインドでしか産出されず、その中から西洋にもたらされた僅かなダイヤモンドは王族の為のものでした。これは王族か公爵のような際だって位の高い人物が 使用していた可能性があり、美術館に資料として保存されていてもまったくおかしくはありません。
留め金の部分、素晴らしい彫金の金具とともにダイヤモンドが鏤められています。ダイヤモンドのボタンで開け閉めをするカードケース、当時の特権階級ならではの贅沢さです。
やや横から、、
細かい金の大小の点がカードケースの表面を飾っています。緩やかな文様が美しいです。
裏面です。
赤と茶色の部分は鼈甲です。細かな金の象眼で植物文様と楽器が表現されています。金の点は1ミリにも満たない部分があり、素晴らしい細かな仕事に職人の熱意を感じます。
底部分、約300年近く前の物なので、底の部分に若干ダメージがありますが希少価値を考えれば問題はないですし、専門家による修復が可能です。
底の部分にも細かく金細工が施され、隙のない仕事です。
上部、おそらくこの部分に紐を通して使用していたのでしょう。
小さな紐通しにも金細工が、、、
内側は朱色の布張り、カードが入るようになっています。18世紀、名刺は社交界では重要視され、カードの受け渡しには様々な重要な決まり事やエチケットがありました。当時のカードは華やかな絵入り、王のカードはどのようなカードだったのか、想像するのも楽しいですね。
この名刺は18世紀後期のものですが、このような細かな銅板画の名刺が主流だったようです、絵入りなので持ち主の個性を表現しやすかったでしょうし、見ているだけでも楽しめる名刺なんて素敵ですね。