古代美術 古代エジプト第19王朝 スカラベ セティ1世のカルトゥーシュ
古代エジプト第19王朝の第2代ファラオであるセティ1世(紀元前1294年 - 紀元前1279年)のカルトゥーシュが彫り込まれたファイアンス製のスカラベです。
セティ1世は、アマルナ時代に低下した国力を回復するために尽力を尽くし、エジプト王国史上最後の繁栄と、伝統的な文化芸術の礎を築いた王です。私たちが持ているエジプト美術のイメージは彼によって作り上げられたと言われています。
セティ1世葬祭殿はエジプトの神殿で最も美しいものの一つとして、また保存状態もよく芸術性に溢れる王家の谷を代表する王墓も今日でもその美しさを伝えています。
セティ1世のカルトゥーシュが彫られたこのスカラベは、濃い茶色のファイアンス製で表面には無数の細かなヒビが入っていますが、手触りは滑らかで時の流れを伝えてくるようです。
遥か彼方の古代エジプト時代から、時を超えて残った神秘的なスカラベです。
裏面。
セティ1世のカルトゥーシュが彫り込まれています。
右側がセティ1世のカルトゥーシュです。
側面。スカラベとして昆虫らしい造形です。
正面。