古代美術 古代ローマ1世紀 インタリオ ファウストゥルス
古代ローマ1世紀のインタリオには、杖を持った男性とヤギがとても繊細な彫りで表現されています。一見すると、なんでもないこの人物は、実はローマ建国神話に登場する重要な人物、牧夫ファウストゥルスです。
使われている石はブラッドジャスパーで、石自体は黒くシックな印象です。インタリオの表面に光があたると、彫りが突如としてくっきりと浮かび上がり、光が 当たっていない時と当たった時の雰囲気の大きな差が、このインタリオの魅力でしょう。古代ローマ人も見ていたであろう、このインタリオの美しさからは時空 を超えたインタリオの古の神秘を感じます。
〜ローマ建国神話〜
古代ローマ建国神話に登場するアルバ・ロンガの王子アムリウスは、兄ヌミトルから王座を奪い、確実に王位を自分のものにする為に、さらにヌミトルの娘のレ ア・シルウィアを、処女であることが重要視され、子を持つことが許されないウェスタの巫女にします。ですが、レア・シルウィアには軍神マルスとの間に双子 が生まれてしまいました。
王位を奪われることを恐れたアムリウスは、生まれた双子をティベリス川に流しますが、双子は雌狼の乳を飲み運良く生き延びていました。偶然双子を見つけた アムリウスの牧夫ファウストゥルスによって、双子はロムルスとレムスと名付けられ、育てられました。成長したロムルスとレムス、ヌミトルによってアムリウ スは打たれ、ヌミトルが王位に戻り、ロムルスとレムスは新しい国を作る為に旅立ちます、この新しい国というのが ローマ なのです。
このインタリオのモチーフはロムルスとレムスを育てた牧夫ファウストゥルスですが、インタリオは当時、作ることに手間がかかる高級品でしたから、人物が彫 られていた場合、それが、ただの名もなき人物 ということはなく、重要な人物が彫られていました。ブラッドジャスパーに彫られたファウストゥルスは、とても細い線の彫りで表現され、光を反射した時に浮 かび上がる彫りがとても繊細で、詩的な雰囲気のシックなインタリオです。
建国神話をモチーフにしたインタリオには、ファウストゥルスと共にロムルスとレムスが彫られている場合などもあります。
ご希望の方には、古代美術の専門家の鑑定書をお付け致します。
粘度に押した画像。
とても繊細な彫りです。
一円玉との大きさの比較。
インタリオは極小の彫刻作品です。写真で見るとどうしても拡大されてしまう為に大きく感じてしまいますが、是非小ささをイメージしてみて下さい。
ハイキャラットゴールドを使って古代風の美しいリングに加工することができます。