20世紀初頭 ジャルディネッティリング

この指輪を見て、あ、ジャルディネッティ!と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この指輪は確かにジャルディネッティなのですが、制作年代がとっても面白いのです。
ジャルディネッティには、小さな庭、というとても詩的な意味があります。
ジャルディネッティのジュエリーには、小さな庭の名の通り、カゴに花を集めたスタイルや、壷に花を植えたスタイルなどがあり、色鮮やかな宝石でちりばめられたジャルディネッティのジュエリー達は、愛らしく華やかです。ジャルディネッティスタイルは、ルイ15世の恋人、洗練されたセンスと美貌を持つ、ポンパドール伯爵夫人によって18世紀に生まれた流行でした。
ジャルディネッティは、18世紀に流行したスタイルなのですが、19世紀にもジャルディネッティスタイルの作品が作られています、18世紀と19世紀のジャルディネッティは一見似ていますが、良く見ると作りが全く違います。
おおまかにいうと、18世紀のジャルディネッティは繊細な作りで、19世紀のジャルディネッティは18世紀のものよりもどっしりした作りなのです。
では、今回ご紹介するジャルディネッティリングの年代は?というと、18世紀でも19世紀でもないのです。
ちょっと正確な年代はわからないのですが、20世紀初頭くらいの作品なのです。
制作国ですが、感覚的にイタリア?かもしれません。
20世紀初頭に、このような独特のジャルディネッティが流行して作られたわけではないので、趣味の良い女性が特別に、ちょっとした遊び心でジャルディネッティスタイルのボリュームのある指輪を作らせたのだと思います。
大きくて、華やかで、チャーミングな、遊び心溢れる素敵な楽しい指輪です。作りも丁寧でとてもしっかりしています。

正面から見ても横から見ても、とてもボリュームがあり、立体感のあるリングです。
シャンクの彫金がぐるりと一周施されているのも、とても丁寧な作りでいいですね。

どこから見ても丁寧な作りです。

裏面、サイズ変更は出来ればしない方が良いかもしれません。

べゼル裏。

着用写真。
大きくてボリュームがあるのですが、とてもチャーミングな雰囲気の指輪です。