WIESE ヴィエーズ クラバット ピン 水の精霊メリュジーヌ
ヴィエーズの大変美しいクラバットピンです。
モチーフはフランス中世の伝説に登場する蛇の尾を持つ妖精「メリジューヌ(Mélusine)」、
アンティークジュエリーでは非常に珍しいモチーフです。
伝説では彼女は名門リュジニャン家の祖とされます。
夫に「土曜日には決して私の姿を見てはならない」と約束させ、
その日だけ下半身が蛇の尾に変わったと伝えられており14世紀末にジャン・ダラスが物語にまとめました。
物語では約束を破った夫が扉の隙間から覗き、
浴槽で髪を梳かす下半身が蛇の尾となったメリジューヌの姿を目にします。
秘密を知られたメリジューヌは悲痛な叫びを残して窓から飛び去っていきました。
本作は、まさにその浴槽で髪に触れ、手鏡を持つメリジューヌの姿を表しています。
限られた小さなスペースの中に、人物と尾、葉の渦巻きが緻密な構成で収められています。
背中の量感や大きくうねる尾まで見事に表現され、小さいながらも躍動感にあふれた力強い造形です。
透かし細工によって重なり合う葉と人物には、繊細な立体感が感じられ、
まるで中世の写本から飛び出してきたかのようです。
実物は写真の何倍も美しく光を受けるたびに黄金がキラキラと輝きメリジューヌが生き生きと浮かび上がります。

テューリンク・フォン・リンゴルティンゲン(Thüring von Ringoltingen)翻訳
ドイツ語版『メリュジーヌ物語』の写本挿絵
15世紀(1456年頃)
暴かれたメリジューヌの秘密
『メリジューヌ物語』の写本挿絵より(部分)
ギユベール・ド・メス
1410年頃
メリジューヌ
サン=シュルピス教会(フランス・ブルターニュ地方イル=エ=ヴィレーヌ県フージェール)
ステンドグラス窓縁の装飾より