古代ローマ 紀元前1世紀 カーネリアン インタリオ エロスと蝶
澄んだ焦茶色のカーネリアンに蝶とたわむれるエロスを彫った紀元前1世紀の古代ローマのインタリオです。
石にはところどころ濃淡があり味わい深い表情を見せています。
翼を広げたエロスが大きく一歩を踏み出し伸ばした手の先に一羽の蝶をとらえています。
もう一方の手には細い枝のようなものを持ち蝶をからかうようなしぐさを見せています。
蝶はギリシャ語で「プシュケー」といい「魂」という意味があり、
そしてエロスは愛の神であると同時に死者の魂をあの世へと導く「魂の導き手(プシュコポンポス)」でもありました。
本作は人の魂を死後の世界へと安全に連れてゆくエロスを表していると考えられています。
この図柄はギリシャで生まれローマの人々にも受け継がれ愛されました。
18世紀、19世紀の作にはよく見られますが、古代ローマ時代、それも紀元前1世紀にさかのぼるものは大変希少です。
愛らしい題材とは裏腹に彫りは息をのむほど緻密で
わずか1.5cmの石の中に、力強い顔立ち、体の肉づきや脚の筋肉、翼の羽根の一枚一枚までが、丁寧に彫り分けられています。
光に透かすと艶やかな透明感の中に見事な彫刻が浮かび上がり、
インタリオが「世界最小の古代彫刻」と呼ばれる理由を十分に感じさせてくれます。
コレクションとしてはもちろん、リングやペンダントにしても素敵な作品です。
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