紀元前6世紀頃 フェニキア美術 エレクトロム製 粒金リング
非常に稀少な紀元前6世紀頃のフェニキアのエレクトラム製指輪です。
エレクトラムとは金と銀の合金で古代のジュエリーに見られる大変強度がある素材です。
エレクトラムは大変明るい独特の色合いをした特別な金属で
古代ジュエリーに使われていることが多いため、古代の雰囲気を好む方には人気の素材になります。
ベゼルは楕円形のプレート状でエジプト美術に着想を得た様式化された植物モチーフで、
中央のロゼット型粒金細工、および2つの三角形モチーフで装飾されています。
プレートの周囲は小さな粒金で作られた二重のビーズ状(真珠状)の縁取りで囲まれています。
アーム(環)の先端は、分岐したショルダー部分へと続き、その枝部分は渦巻き状に曲がっています。
牡羊の角を連想させるこのモチーフは同時代のいくつかのフェニキアの指輪にも見られ、
これもまたエジプト美術から影響を受けたものと考えられます。
この構図の様式は紀元前7世紀〜6世紀のフェニキア製ジュエリーの制作に典型的なもので、
これらのフィリグリー装飾が施された宝飾品はレバノン沿岸部をはじめ、
チュニジア、サルデーニャ島、スペイン南東部などのフェニキア人遺跡全域で見られます。
この時代において金は極めて希少であったため、
宝飾品は銀やエレクトラム(この時代のエジプト、ギリシャ、フェニキアのジュエリーに特徴的な金と銀の天然合金)
で作られることが一般的でした。
装飾の一部が取れていますが年代的に通常のコンディションになります。
全体的に作りの良いリングで厚みがあり丈夫です。
フェニキアの銀製指輪(粒金細工)
紀元前6世紀
ベルリン国立博物館 古代コレクション蔵(所蔵番号 30555)
写真:ヨハネス・ラウレンティウス
ベルリン国立博物館(プロイセン文化財団)