古代ローマ1世紀〜2世紀 ニコロ インタリオ ディオスクーロイ カストルとポルックス
二頭の馬を従え長い槍を手に左右対称に立つ二人の青年、
ディオスクーロイとしてギリシャ神話に登場する双子の英雄、カストルとポルックスの古代ローマのインタリオです。
現代の職人が美しいゴールドリングに仕立てています。
石は黒に近い紺と青みがかったグレーが美しいニコロが選ばれており、
石全面に大変緻密で彫りで表現され、その姿には優雅さが感じられます。
馬をモチーフにしたインタリオはエレガントで人気のあるモチーフの一つです。
「ゼウスの息子たち」を意味するディオスクーロイは、
古代世界で騎馬と深く結びついた英雄として信仰されました。
とりわけカストルは優れた騎手であり、馬を巧みに扱うものとして知られていました。
カストルとポルックスは双子でありながら、その運命は同じではありませんでした。
カストルは死すべき人間、ゼウスの子であるポルックスは不死の存在でした。
カストルが命を落とした際、深く悲しんだポルックスは自らの不死をカストルと分かち合うことを願います。
その願いによって二人は完全に引き離されることなく、生と死、天上と冥界の境界を行き来する存在となりました。
ローマにおいてもディオスクーロイへの信仰は早い時期から受け入れられました。
特に紀元前5世紀初頭の「レギッルス湖の戦い」にまつわる伝説は有名で
戦いの最中、二人は白馬に乗った若者の姿でローマ軍の前に現れ、その勝利を助けたと伝えられています。
この伝説を背景に、カストルとポルックスはローマでは騎兵の守護者として特に重要な存在となり、
さらに旅人や航海者を危険から守る神々としても広く信仰されました。
古代ローマにおいて、身につける者を守る存在として親しまれた双子神の姿を刻んだ、
神話性と護符的な意味をあわせ持つ美しいインタリオです。
神話上の人物と馬を組み合わせたこのような複雑な構図のインタリオは特に人気が高く
優れた古代ローマのインタリオに求められる全ての要素が備わっています。
ディオスクーロイ(カストルとポルックス)と推定される二人の騎馬青年
紀元前4世紀(紀元前399–300年頃)
大理石|大英博物館蔵
馬とともに表されたディオスクーロイ(カストルとポルックス)
エトルリア 紀元前500–450年頃
メトロポリタン美術館蔵
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