Van Cleef & Arpels 1950年 ゴールド ダイヤモンド リーフブローチ
18金イエローゴールドとプラチナに留められたダイヤモンドによる、
1950年代に作成されたヴァン クリーフ&アーペルのブローチです。
裏面にはメゾンのサインと作品番号(n° 96978)が刻印されています。
しなやかに重なり合う二枚の葉の中央にダイヤモンドが一列に配されプラチナに留められて
葉は細いゴールドの筋を一本ずつ並べるように表現され、羽根のような軽やかさと立体感を帯びています。
表面に生まれた繊細な起伏が光を複雑に受け止め、見る角度によって明るい黄金色から深い琥珀色まで豊かな表情を見せます。
温かみのあるゴールドと白く澄んだダイヤモンドの輝きが穏やかなコントラストを描き、
石を過度に強調することなく、葉の流れと彫刻的な立体感を引き立てています。
二枚の葉はわずかに角度を変えて重ねられ風に揺れながら舞い落ちる一瞬を捉えたかのような動きのある構図です。
裏面には二本のピンによる留め具が備えられておりブローチとして着用できるほか、
ピン部分にチェーンを通せばペンダントとしても楽しめます。
自然の造形を洗練されたジュエリーへと昇華させた、1950年代のヴァン クリーフ&アーペルの感性を伝える作品です。
このブローチにはヴァン クリーフ&アーペルの署名に加えて
製作を手がけた工房主アンドレ・ヴァソール(1911–2002)のメーカーズマークも刻まれています。
ヴァソールは、プラス・ヴァンドームの名だたるメゾンから信頼を寄せられた名工房主で、
ヴァン クリーフ&アーペルをはじめ、カルティエ、ブシュロンなど数々の名店の裏側でデザインを実際の宝飾品へと仕上げていました。
当時、メゾンの署名の陰でこうした職人たちが精緻な石留めや仕上げを担うのが業界の慣習であり、
ヴァソールはその中でも特に高い技術力で知られた存在です。
本品はVCAの署名と作品番号(n° 96978)を備え、身につけて楽しむジュエリーであると同時に、
メゾンの歴史と戦後フランス宝飾の美意識を伝える一点です。

