古代ローマ1世紀 トロイアの守護神パラス・アテナ像(パラディオン)とカッサンドラ インタリオ プラスマ リング 指輪
古代ローマ1世紀のプラスマ(plasma)に彫られたインタリオを、19世紀中期のリングにセットした作品です。
深い緑の石肌に緻密な彫りで表されているのは、
トロイの聖なる護りパラディオン(守護神パラス・アテナ像)の前で、岩に腰かけるカッサンドラの姿です。
カッサンドラは薄布を腰に巻き、髪はまとめられています、
彼女の足が透けて見える薄布の表現が見事で、
小さな画面の中に、衣や髪の表現まで丁寧に彫り込まれた、見どころの多い素晴らしい構図のインタリオです。
またインタリオ裏面にはブロンズが少し付着しており
もともとは、このインタリオが古代ローマ時代のブロンズリングにセットされていたことを示しています。
カッサンドラはトロイ王家の娘で、アポロンから予言の力を授かったと伝えられます。
しかし彼女がアポロンの想いを拒んだため、
アポロンは「未来を語っても誰にも信じてもらえない」という呪いを与えたという神話が語られてきました。
彼女がどれほど真実を告げても警告は退けられ、物語はついにトロイ陥落という悲しい結末へと向かいます。
パラディウムは「これが都にある限りトロイは落ちない」と信じられた神聖な像で、
その前に腰かけるカッサンドラという主題は、
守護と破滅、真実と不信という対比を静かに映し出しています。
また、古代のインタリオで神が単体で彫り込まれているものは見られますが、
このように神話のワンシーンがモチーフに選ばれているものは極めて稀です。
石は透明感がありますが、
深い色が幾層にも重なり合うことでやや不透明な部分もあり奥行きと深みを感じます。
さらにこの作品は、図像が中央だけでなく石面全体にわたって彫りが施されており、
どこを見ても見応えがあります。
粘土に押した際の印影も非常に美しく、
古代の彫刻家の確かな技量がはっきりと伝わってきます。
シルバーやゴールドでリングやペンダントを制作しても美しいものができるでしょう。
リングは19世紀中頃の作りです、細身で繊細な仕上がりです。
アテナ神像の前のカッサンドラとアイアス
アッティカ赤像式キュリクス
紀元前440年頃
ルーヴル美術館所蔵


