タイ アユタヤ王朝 16世紀 金銅 仏陀の仏面
遥か16世紀、黄金のアユタヤ王朝で作られた仏陀の小さな頭部像です。
14〜16世紀にかけて、アユタヤ王国は東南アジア本土で大きな勢力を築き
上座部仏教のもとで新しい仏像様式が花開きました。
この作品はそのアユタヤ様式を感じさせる仏頭の一部で静かな存在感を放ちます。
アユタヤ期の仏像に見られる特徴のひとつが曲線を活かした穏やかな顔立ち、
生え際を低めに取り眉のラインはしなやかに弧を描いています。
眼は重たげなまぶたで伏し目がちに表され内省的で同時に現世へそっと目を向けているような静けさがあります。
鼻筋はすっと通りふくよかな唇にはわずかな微笑、
長く垂れる耳朶が全体のリズムを整え穏やかな品格を引き立てています。
鋳造による青銅製で黒褐色の古色と金の残欠がつくる表情が魅力です。
専用スタンド付きで飾りやすい小ぶりなサイズ感ですので
キャビネットの上や書斎の一角などに無理なく迎えていただけます。
長い年月を経てきた金銅のあたたかな質感と、伏し目がちで優しいその表情は、
現代の私たちの生活にも違和感なく溶け込みます。

参考
金鍍金青銅製 仏陀頭部
アユタヤ王国(1351〜1767年)

