古代ローマ 紀元前1世紀〜2世紀 ヘラクレスとネメアのライオン コーネリアン インタリオ
こちらのインタリオは古代ローマ時代(紀元前1世紀〜2世紀)に制作されたコーネリアン(紅玉髄)の作品です。
英雄ヘラクレスが「十二の功業」の第一の試練、ネメアのライオンと格闘する場面が精緻に刻まれています。
ネメアのライオンは矢も剣も通さぬ皮を持つ怪物で、ヘラクレスは素手でその首を絞めて退治したと伝えられます。
このインタリオはその決定的な瞬間を捉え、
緊張感のある構図と肉体のひねりによって、英雄の力強さを見事に表現しています。
この構図は古代美術でしばしば見られますが、
人物と獣が絡み合う複雑なポーズを描くためには高い技術と表現力が求められます。
そのため、この主題を扱った作品には品質の高いものが多いのが特徴です。
紀元前1世紀〜2世紀は、特に緻密で完成度の高いインタリオが制作された時代であり、
ヘラクレスの顔の表情や獅子の足先の丸みのあるグロボロ表現など、本作もその典型的な作風を示しています。
コーネリアンの質感も味わい深い濃淡があり、
やや暗めの赤いカラーで雰囲気がよく大変美しいです。
彫った部分も綺麗に磨き上げられています。
また、この年代のグリプティック(宝石彫刻)は非常に数が少ないことでも知られています。
上質なインタリオをお探しの方に、特におすすめできる逸品です。

ヘラクレスとネメアのライオンのモザイク
3世紀
国立考古学博物館 スペイン
Museo Arqueológico Nacional