6〜8世紀ビザンチン 聖母と幼子 二エロ ゴールド リング 指輪
ビザンティン時代に制作されたゴールドリングです。
ふっくらとしたオーバルのベゼルには聖母マリアと幼子キリストを象った図像が刻まれ、
二エロ(niello)技法によって黒い線がくっきりと浮かび上がっています。
金の地に映える黒い二エロとのコントラストは小さな聖像を思わせ指先に祈りを宿すような存在感を放っています。
聖母と幼子は素朴で可愛らしい表現で、古さを感じさせず現代アートのような面白さもあり、
古代の祈りと造形美が時代を超えて新鮮に響くのもこの作品の大きな魅力です。
現代においてもシンプルで洗練された印象を与え、日常の装いにも自然に溶け込むスタイルだと思います。
また、フープには後の時代にフクロウのマークが打ち込まれています。
これはフランスの法律により、金製品の純度が18K以上であることを保証するために刻印を入れる必要があったためです。
当時の骨董商や美術商が安心して顧客に紹介できるようにこのマークを申請して打ち込んだのでしょう。
そう思うと、このリングがたどってきた歴史までも感じられて、とても興味深いですね。
