とても小ぶりながら重厚な作りの古代ローマのオールオリジナルのリングです。
カメオのモチーフは2匹で遊んでいる子熊が選ばれており大変珍しいものになります、
古代ローマ時代の様式的なカメオは結婚の時に好まれたオモノイアなどがありますが、
このモチーフは本当に珍しく他の資料では見つける事ができなかったので、
恐らく、注文主が特別な意味を持たせた唯一無二の特別な題材なんだろうと思います。
個人的な意味を持たせていた場合、今はその意味は失われ蘇ることはありません。
カメオの下に彫り込まれている文字「グレゴリ」という言葉は恐らく名前に対応していると思われます、
フランス語のグレゴワールという名前はラテン語の名前であるグレゴリウスに由来しています。
古代ローマ人がグレゴリウスという名前を使い始めたのはいつかはわかりませんが、
6世紀にローマで暮らしていた教皇がグレゴリウスという名前でした。
もしこれがグレゴリウスという名前に対応したものではない場合、
これはギリシャ語の言葉かもしれません。
上流階級の古代ローマ人はギリシャ語を話して教養や文化を示すのが好きでしたし、
カメオやインタリオは特に上流階級の教養のある人々に興味を持たれていた為に、
カメオやインタリオでよく見られるギリシャ語の単語もたくさんあります。
ギリシャ語では「グレゴリ」という言葉は 目を覚ます、用心するという動詞から来ていますので
もしかしたらそのような意味を持たせたかったのかもしれません。
浮き彫りである古代ローマのカメオは沈め彫りであるインタリオに比べて壊れやすいので非常に珍しく、
体感的にはカメオを1個見つける間にインタリオを約40〜100個くらい見つける感じです。
また、珍しい古代ローマのカメオの中でも、このカメオはさらに珍しい条件を備えています。
それは、、、
1 保存状態の良さ
2 動物がモチーフであること、さらにそれが遊ぶ子熊が2匹彫り込まれているということ
3 文字が入っている事、通常は文字が彫り込まれていないことが多いです
4 オールオリジナルの台座にセットされているということ
以上の条件を備えていますので、このカメオとリングがどれほど珍しいか感じて頂けると思います。
小さいサイズではありますが、
重厚で古代の素晴らしいデザインのリングです。
小指にはめるとズシリとした重みを感じますし、素晴らしい存在感です。
今見ても洗練された美しいデザインで古さを全く感じさせません。
現在、約4号と小さなサイズですが
古代ジュエリーに精通した腕の良い職人がおりますので
サイズ変更は若干でしたら可能ですのでご相談ください。
小指にこのような贅沢なリングをはめるのはとてもお洒落だと思います。