古代ローマ1世紀 マーキュリー 「コインと鶏」 インタリオ リング 指輪
古代ローマのマーキュリー神の聖鳥である鶏のインタリオ をセットしたリングです。
マーキュリーそのものを彫り込んだインタリオは見たことがありますが、
鶏をケリュケイオンと共に大きく彫り込んでマーキュリーを表現した面白いインタリオは初めて見ましたし、
全体の彫りが大変クオリティが高く美しいので、当時特別に作られたインタリオだと思います。
マーキュリーは多様な性格を持つ大変興味深い神ですが、
主に商業、旅行、交渉、言葉の神と言われています。
特にマーキュリーは商人や旅人から大変人気のある神でした、
マーキュリーはアトリビュートである鶏、財布、羽つきの帽子、羽つきの靴、
ケリュケイオンのいずれかと共に彫刻作品等で表現されている事が多いです。
粘土に押すと大変素晴らしい彫りが浮かび上がります。
鶏の表現は見れば見るほど細かく緻密です、胸を張った雄々しい姿で羽や足の表現が見事ですし、
左側にはケリュケイオンも彫り込まれていて、足元の岩も立体的で力強いです。
そして、よく見ると鶏が口にコインを加えているのが大変面白く可愛いです。
細部に渡って彫りのクオリティも大変高いので高級なものとして作られたことが分かりますし、
当時、力のある商人が旅の安全と商売繁盛を願って作らせたものかもしれません。
古代ローマ時代 鶏とコインのモザイク
一見、リングは古代ローマ時代のオリジナルに見えますが、
オリジナルではなく後の年代に作られたものです。
オリジナルではありませんが、金を沢山使っており、
大変作りの良いリングで重厚な仕上がりです。
リングの年代の判定は難しいのですが、恐らく19世紀〜18世紀頃に作られたものと思います。
はるか古代世界から旅をして現代まで生き残ってきたインタリオ 、
旅を司るマーキュリーのインタリオ ですからよりロマンを感じます。
また、鶏は朝早く鳴く為、鶏の鳴き声は早起きの象徴として知られています、
早起きは三文の徳という諺が日本にあるように、
フランスにも
〜 La fortune appartient à ceux qui se lèvent tôt 〜
「早起きする者が幸運を手に入れる」という諺がありますから、
鶏のインタリオはきっと持ち主に幸運を運んでくれることでしょう。
旅の多い方やご自身で商いをしている方にもお勧めの格好いいリングです。