古代ローマ2世紀 ポトス ニコロ インタリオ リング
とても小さなサイズのシックで可愛い古代ローマのインタリオ。
艶感のあるオニキスは深いブルーグレーで、
表面のみがやや霧がかったように薄いグレー色をしています。
小さいので目を凝らさないと彫りが見えにくいのですが、
インタリオの表面を光が反射した瞬間に古代ギリシャの神ポトスがはっきり姿を現します。
ポトスは逆さに向けた松明に肘をついて
思いにふけるようなポーズをしています。
ポトスはアフロディーテとアレスの子の一人とされ、
司るものはエロスの生への愛とは対照的に死者への愛、会えない者への愛です。
少し寂しく美しい愛を司っており、感覚的にとても美しいインタリオだと思います。
古代ギリシャでは、エロスとポトスは区別されていましたが、
その区別も年代を重ねるにつれて曖昧なものになり、
エロスとポトスが同一の神とされる場合が多くなっていきます。
リングは1760年頃の作になり、裏側の彫金がとても綺麗です。
18世紀のリングに古代のインタリオ がセットされているものは珍しいです。