14世紀 イエスの蝋版 アイヴォリー オブジェ
14世紀の大変稀少な美術品です。
薄く整えられたアイヴォリーで出来ており、
中央に磔のイエス、
左には聖母マリア、右には聖ヨハネが彫り込まれています。
中世の彫刻作品の特徴がよく出ており、
通常は美術館のガラス越しに見るような作品でとても見応えがあります。
こちらは蝋版と呼ばれるもので、
当時のメモ帳やノートの役割を果たしていたものでした。
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4mmほどの薄いアイヴォリーの板は
表面には彫刻、裏面は縁を残して薄く削られています。
この削られた部分に蝋を薄く伸ばして乾かし
先の尖ったもので蝋に文字を書き込み、
文字を消す時はヘラのようなもので蝋を削って消していました。
このように蝋板は何度でも繰り返し使うことができて
持ち運びもできる便利な道具でした。
通常は、蝋板は木製で装飾もありませんでした。
小さく薄かった為、木製のものは殆ど残っていません。
こちらはアイヴォリー製でイエスの彫刻も施されていますので、
当時の高級な蝋板であったことが伺えます。
このような小さく高級な蝋板を持つことは、
現代で例えると最新のアイフォンを持つような感覚だったのかもしれませんね。
薄いアイヴォリーの板は手に取ってみただけでは何だか分かりませんが、
用途がわかるといろいろな事が想像できて楽しいですね
この蝋板に一体どんなことが書かれていたのか...
どんな人物が持っていたのか....
是非自由に物語を想像して頂きたい古のオブジェです。
蝋板の歴史はこちらからご覧になれます。
参考 類似作品
パリのクリュニー美術館に収蔵されている同じタイプの蝋板です。
こちらの作品をお求め頂いた方には
飾り台も一緒に差し上げます。