1800年頃の古いインタリオブローチです。

インタリオの多くは小型のものが多いのですが、

こちらは4.5cm×3.8cmと大型ですし彫りも大変クオリティが高いので、

小さな絵画のように見応えがあります。

素材は透明感溢れるコーネリアンで茶系の濃淡が美しい石で、

とても綺麗に丁寧に磨かれており非常に艶やかに仕上げられています。

　身につけられる小さな彫刻美術作品になります。





インタリオの裏から光を当てると神秘的な風景が、よりはっきりと浮かび上がります。

西洋絵画のような構図で、彫りの深さにも差があり奥行きがあって力強いですし、

人物のポーズや肉付き、海馬など細部に渡って大変素晴らしい彫りだと思います。


モチーフは右側のポセイドンの妻のアムピトリテと思われる女性が

海馬に乗りながらアポロンに盃を渡しているシーンです、

これは古より存在する神話にも見えますが、神話をもとに創作された物語だと思います。

18世紀頃のインタリオの中には、

古より長く語り継がれている神話とは違うシーンが自由な発想で表現されている作品があり、

こちらも恐らくその一つでしょう。

元々ある神話から自由な発想で新たに生まれた物語ですので、

作り手も現代の二次創作のように楽しんで作っていたことが伺えます。





彫りのクオリティは大変高いです。

これだけの大型の見応えのあるインタリオ ですから、

彫りを十分に楽しんで頂けると思います。





インタリオを引き立てる細いフレームには細かな彫金が丁寧に施され、

艶やかな天然真珠が隙間なく留められており

クラシックな雰囲気が美しい作品です。





インタリオ は裏から光をあてたり、

表面の光を反射する角度を変えたりすると

様々な雰囲気の風景が浮かび上がる事を楽しむ事ができます。







これは、このインタリオについていた石膏での型取りのプレートで、

カメオのように彫りを鑑賞することができるものです、

お求め頂いた方に差し上げますが、

この型取りは古い物で、細部まで完璧に彫りを捉え切れていません。

より完璧なものをご希望の方には

職人に依頼してより精密な型を取り、シルバーでプレートをご用意することができます。