ビザンチン6世紀の希少な古のリングをご紹介致します。
純度の高い輝く金のリングに
深みのあるエメラルド色の四角いガラスと天然真珠がセットされています。
全体的にボリュームがあり丸みを帯びたシルエットです、
今見ても色褪せない洗練された美しいデザインだと思います。
このエメラルド色のガラスは、当時本物のエメラルドのイミテーションとしてセットされたものになります、
古のリングでは本物の宝石の代わりとして色付きのガラスがセットされていることがありますが、
イミテーションと言ってもセットされているリングの素材が純度の高いゴールドであったり、
この指輪のように天然真珠もセットされていることなどがあり、
元々高価なものとして作られていたことが分かりますので、
必ずしも予算だけの問題ではなく、天然の宝石がどれだけ貴重で入手しにくいものであったかを示すものでもあります。
エメラルド色のガラスの右上に若干欠けが見られますが、
写真では大きく写りますので実物は小さな欠けになり目立ちません。
ガラスという脆い素材であるにもかかわらず、千数百年の時を生きながら
こんなにも美しいコンディションを保ってきていることは驚異的です。
天然真珠は5mm珠で若干ヒビが入っていますが、艶を保っており
こちらも過ごしてきた年月を思えば大変良いコンディションです。
同タイプのビザンチンジュエリーを美術館収蔵品や資料で見ますが、
全体のバランスの良い形も含めてこんなにも綺麗な状態の例はあまり見たことがなく希少です。
ビザンチンは約4世紀頃〜約15世紀頃までの東ローマ帝国および文化様式です。
輝くゴールドが印象的なモザイクの壁画などが有名です、
壁画のモザイクに登場する高貴な人々が身につけているジュエリーなども
エメラルドや天然真珠、ゴールドを素材に使ったものであったりするので
この指輪とも類似が感じロマンがあります。
モザイクの素材は四角い小さなガラス片ですが、このリングに使われているのもガラスですので、
モザイクの一部がリングに姿を変えたようで素敵です。
ビザンチンのモザイクの壁画です。
色鮮やかなガラス片を細かく嵌め込んだものです。
中央の女性は有名な皇妃テオドラですが、
天然真珠やエメラルドで飾られたジュエリーを身につけていることが分かります。
メトロポリタン美術館 類似作品
大きく突き出たボックス型のベゼルが特徴的です。
全体的にふっくらとしたボリュームのある形をしています。
リングは薄い金を丸く整えてボリュームを持たせた作りです。
この作りは同年代のビザンチンジュエリーに見られます。
金は薄いですが硬く丈夫で通常の使用では変形することはありません。
横から見ても大変美しく整った形をしています。
今見ても古さを感じさせない新鮮な美しさを感じさせる古の指輪です。
美術的価値から気軽に身に着ける指輪ではありませんが、
千数百年の時を経た希少な古のリングは本当の意味での宝物と呼べる存在だと思います。
是非手に取ってロマンを感じて頂ければと思います。