Paul Robin とかげのゴールドブローチ
美しいとかげのブローチです、
爬虫類のヌメッとした皮膚の質感や、力強い手足の表現など、
今にも動き出しそうないきいきとした造形が素晴らしい作品だと思います。
本来、生物をモチーフにしたものには意味があることが多く、
例えば、獅子なら力強さ、蛇は知恵、犬は信頼、蝶は魂などですが、
とかげにはそのような意味はないので、
純粋にとかげの美しさを楽しむ為に作られた、良く出来たジュエリーだということを感じます。
雰囲気的にアール・ヌーヴォーの作品に見えますが、もう少し古い年代、1880年頃の作品になります。
このブローチを製作したのは Paul Robin という、当時素晴らしい作品を多く残したジュエラーで、
HENRI VEVERによる LA BIJOUTERIE FRANCAISE という本にも
このとかげのブローチが掲載されています。
参考資料
Paul Robin 製作フクロウのブローチ 1875年
Paul Robin 製作 蛇のブレスレット 1849年
ジュエリーデッサン
サイズは2.5cmで小振りで使いやすいサイズ感ですが、
作りがとても良く造形も美しいので大きさ以上の存在感を感じます。
頭には深い色合いのサファイヤが止められ、瞳はダイヤモンドでできています。
とかげのしっぽが丸く円を描いている構図、
左側のお腹の皮膚にシワが寄っている質感などが大変リアルで美しいです。
立体的でどの角度から見ても美しい造形だと思います。
目には小さなダイヤモンドがセットされています。
裏面の彫金も綺麗です。