古代ローマ1世紀〜2世紀 酩酊を防ぐ アメシスト ディオニソス テュルソス カンタロス インタリオ
古代ローマ時代のとても美しいアメジストのインタリオをご紹介致します。
彫り込まれているのは酒神ディオニソスです、
手にはディオニソスのアトリビュートである杖のテュルソスと
ワインを注ぐ為の古代の器のカンタロスを持っており、
この持ち物で、この人物が酒神ディオニソスであることが分かります。
古代のインタリオは品質に差があり、彫りが荒すぎて何を彫っているのか分からない物が殆どですので、
このようにはっきりと題材が分かり、しかも彫りも優れたインタリオ は大変希少でなかなか見つかりません。
また、美しいアメジストは高価な石でしたので、アメジストが使われているインタリオ もまた希少です。
女性の小指の爪程のとても小さなインタリオ ですが、本当に細かくな彫りだと思います。
ディオニソスの姿もアトリビュートもはっきり彫り込まれており美しいです。
粘土に押すと古代の壺のカンタロスの形もよく分かりますが、
ここまでカンタロスがはっきり彫り込まれているインタリオ も殆ど無いと思います。
古代ギリシャ壺
赤絵式 カンタロス
ブリティッシュミュージアム
古代ギリシャ4世紀 ディオニソス モザイク
Le Musée absolu, Phaidon,より
ブリティッシュミュージアム
古代ギリシャの壺
古では宝石には不思議な力があるとされ、
アメシストには酩酊を防ぐ力があると信じられていました。
その理由を考えてみましたが、
アメジストの美しい紫色はワインの色を想像させる色でもあったと思います、
当時、ワインは高級品であった為と、酔いがまわるのを避ける意味もあり、
ワインには水を混ぜて飲むのが一般的でした。
自然のままの美しい色のアメジストにはワインに水を混ぜた時のような濃淡がありますので、
古代人も自然のアメシストを見た時にはそう思ったのかも、、しれません。
特に、このインタリオ のアメシストは濃淡の差がはっきりしており、
そんな石に酒神ディオニソスが彫り込まれているのは
特に酩酊を防ぐ効果を期待して彫られたインタリオ なのかなと思いました。
美しい上質の古代のインタリオ は石とモチーフの組み合わせがよく考えられていると
感じることが多くあります。
一円玉と比較をすると大きさがよく分かると思いますが、
とても小さなインタリオ です。
指輪やプチペンダントに加工することが出来ます。
お酒が好きな方、お守りにいかがでしょうか?^^