古代ローマのエメラルドを用いたとても珍しいリングをご紹介いたします。
古代ローマ時代にはエメラルドはエジプトより産出される大変希少な石でした、
古代エジプトの鉱夫達が暑さやサソリと戦いながら採掘した美しいエメラルドかと思うと感慨深いです。
古代ローマ人はエメラルドを豊穣、再生のシンボルとし、
ローマの博物学者である大プリニウスはエメラルドを
「これより深い緑はなし」と述べています。
現代でも美しい緑には癒しの力があるとされています。
エメラルドは希少な宝石でしたので、ジュエリーに使われている事も滅多になく、
また、エメラルドはもともと壊れやすい宝石なので、
もしセットされていたとしても良い状態で現代まで残っていることもまた珍しいです。
参考 古代ローマのエメラルドネックレス
古代のエメラルドは現代のように細かくカットされるというよりは、
結晶の形を生かして少し磨いて穴を開けてビーズのようにしたり、
カボッション状にしたりして使われていたことが多かったようです。
美術館などに収蔵されている古代ジュエリーのネックレスにビーズ状で使われている事がありますが、
所々抜けていたり、欠けていたりする事が殆どです。
今回ご紹介しているリングに使われているエメラルドは小さくはなく、しっかりとしたボリュームがあり、
ボックス型のエメラルドの中心に穴を空けて金の爪でしっかり留めてあり、グラグラしません。
古代のエメラルドは希少で数がありませんでしたので、
現代の基準に照らし合わせて表現すれば、透明感に溢れる上質のエメラルドではなく、
このような若干不透明な石が使われています。
大粒のエメラルドがセットされていることも珍しいですが、
このリングは独特の形状をしており、
これは左右のシャンクにイルカの装飾が施されているからです、
左右に大きくせり出してボリュームのある装飾になっています。
ボリュームがあるデザインですが、
リングの中は空洞になっており、見た目よりも軽い作りです。
このように左右にイルカの装飾が施されている古代ローマのリングは16年間で2個目になり、
本当に希少で可愛いモデルだと思います。
参考 類似スタイル 古代ジュエリー
イルカの装飾は施されてはおりませんが、
似たスタイルのリングの参考例が専門書に掲載されていましたので、
掲載いたします。
参考 類似スタイル 古代ジュエリー
参考 類似スタイル 古代ジュエリー
参考例 古代エメラルド
サイズは8号と小さめですが左右にイルカの装飾がせり出していますので、
全体的にボリュームがある作りをしています。
珍しい大粒のエメラルド、イルカの装飾が施されたゴールドリングは
着用しても大変雰囲気がありますし、
古代ジュエリーの素晴らしいコレクションにもなるリングです。