優れたバランスの端正なデザインの ネオルネサンス スタイル のエナメルペンダントをご紹介いたします。
このエナメルのカラーはグリザイユと呼ばれ、
殆ど黒に見える深みのある濃い茶色と白でまとめられています。
イルカの背に乗った海を渡るクピドは古代ローマ時代のカメオにも見られる
古典的な構図で古くから親しまれた題材です。
エナメルには立体感があり指で触るとカメオのような凹凸を感じる程で、
これはエナメルで著名なポール・グランドームやアルフレッドメイヤーの作品を思わせるクオリティです、
エナメルの表面を光が反射するとカメオのような凹凸が優しく引き立ちます、
優れたエナメル細工が多く生まれたルネサンス時代を彷彿とさせるようで、
ネオルネサンススタイルのジュエリーにぴったりの上質なエナメルミニアチュールだと思います。
クピドの体の表現からは皮膚の柔らかな質感など伝わってくるようですし、
クピドが手に持つ薄布が風に漂う様子も本当に柔らかいです、
イルカは現代のイルカとは違う迫力のある姿ですが、
これはとてもアンティークらしい表現なのです、
大きな目にヒゲのある顔立ち、尾は二重にくるりと巻かれています、
イルカのアンティークシールなどでも見られるような姿です。
繊細なエナメルの表現は写真を撮影すると細かな濃淡の色合いが飛んでしまうことが多いので、
実物は写真で見るよりもずっと細かく繊細なエナメルであることを感じて頂けると思います。
上質なエナメルに加えてネオルネサンススタイルのフレームも抜群に美しく、
細かく作り込まれたデザインと作りで見応えがあります。
フレームの上部には巻き毛とひげを生やした小さな顔の男性が目をつぶった姿で飾られていますが、
この装飾だけでもルネサンス芸術の雰囲気を色濃く伝えてくるアクセントになっています。
フレームの左右には大きな口を開けた獅子がダイヤモンドを加えた姿で表現されています。
獅子のみの装飾はよく見かけますが、ダイヤモンドを口に加えた獅子は珍しく、
このような装飾は初めて見ましたし、獅子の牙がダイヤモンドを留める爪の役割を果足しているのも良いですね。
小さなペンダントですが丁寧なデザインと作りでとても好感が持てるジュエリーです。
ダイヤモンドは小さいですが、透明感があり綺麗な石です。
時折、フレームの左右がキラキラと光り、
より作品全体の美しさに深みが増していると思います。
ペンダントの下部には色鮮やかなルビーが留められ、
小粒の天然真珠がガーラントのように垂れ下がっています。
写真ではあまり写っておりませんが、
実物の天然真珠の色合いは若干グラデーションになっており、
外側から中央へ向かうにつれてクリームからゴールドがかった真珠になっていて、
とても凝った真珠選びだと思います。
垂れ下がるように留められている天然真珠は大粒で0.7cm×0.6cmもあり、
金具には小さなダイヤモンドも留められています。
照りと艶がとても綺麗な大粒の上質な天然真珠ですので、作品全体の仕上がりがより美しくなっている事を感じます。
チェーンで下げてもリボンで下げても美しいペンダントでしょう。