美しく希少なルネサンス時代のカメオです。
このような顔立ち、ヘアスタイル、片方の乳房を出した姿、衣装はルネサンス時代の典型的なタイプのカメオですが、
ルネサンスのカメオは彫りがざっくりしているものが多く、
このような美しい彫りのカメオは希少で、
ルネサンス時代の貴婦人の肖像を思わせるような緻密な彫りと言えます。
現在、市場に出回っているカメオ は19世紀の作品が殆どで、
ルネサンス時代の古く希少なカメオは滅多に見つからない古の宝物です、
このようなルネサンスのカメオはエリザベス女王のカメオ コレクションにも残っています。
上の写真はルネサンス時代のカメオ を集めた資料ですが、
本物のルネサンスのカメオは本当に希少なので、彫りが緻密ではなかったり、
欠けていたりするカメオであっても こうして本にまとめられたり、美術館に収められてたりしています。
右の3つはエリザベス女王のルネサンスのカメオ のコレクションで、
高品質なルネサンスのカメオ です。
今回ご紹介しているカメオも女王のコレクションと同じ品質の美しさを持っていることを感じて頂けると思います。
ルネサンスのカメオで、ここまでハイクオリティのカメオは滅多に見ることは出来ません。
立体のカメオは欠けやすい美術品ですから、作られてから約400年の時を超えて現代に残っていることは
奇跡的なことだと思います。
このカメオ はリングとして残っていますが、
ダイヤモンドの枠は18世紀にセットされたもので、リングは19世紀の作りです。
作られてから400年の間に、どのような流れでカメオがリングへ姿を変えてきたのか?
そのジュエリーだけが持つ歴史を想像するのはとても楽しいことだと思います。
例えば、恐らく18世紀には、高級な小箱などを装飾するためのパーツとして、
希少なルネサンスのカメオが選ばれてダイヤモンドで飾られたのだと思います、
そして、19世紀、その小箱を譲り受けた方が、あまりに美しいルネサンスのカメオに魅入られ、
身につけられるリングに仕立て直したのかもしれません。
姿を変えながら大切に扱われてきたことが強く感じられるアンティークらしいジュエリーです。
カメオ を囲むダイヤモンドはゴツゴツとした古いカットの石で、
小さくても強い輝きを放ちます、
石の色は濃いめのシャンパン色のダイヤモンドがところどこにいくつか混ざっていて、
ルネサンスの古いカメオの雰囲気にもぴったりのとても美しいフレームだと思います、
ベゼルの大きさのバランス、ダイヤモンドの配置なども本当に綺麗で指に乗せた時の雰囲気もとても良いです。
この片方の胸を出す特徴的なスタイルはルネサンスのカメオにとてもよく見られますが、
何故このスタイルなのか? については、はっきりとした理由はわかっておらず、
資料によっても説明が違います。
16世紀の女性の肖像画
イギリスのエリザベス女王のコレクションにも片方の胸を出した小さなルネサンスのカメオがありますが、
モチーフは 若い女性 と書かれています。
歴史的に有名な女性 をモチーフにしたルネサンスのカメオでも片方の胸を見せていますし、
当時、美貌と教養を兼ね備えた女性のみがなれた 高級娼婦 である、という
説明がされている場合もあります。
なぜ、片方の胸を出すカメオが作られるようになったのか、考えてみるのもとても楽しいと思います。
特別に彫りの美しいカメオ ですから、
ルネサンスの絵画に登場する貴婦人と比べてみると似たテイストを感じることが出来ます。
顔立ち、髪型、佇まい、ルネサンス芸術の雰囲気をとても強く持ったカメオです。
指の乗せた時のバランスもとても良く、
古のカメオの美しさを感じて頂けるカメオリングです。
古くて希少なカメオ をお探しの方にはとてもお勧めできる作品です。