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MARCEL BING マルセル・ビング 二羽の白鳥 アール・ヌーヴォー グリーンエナメル アンティークペンダント アンティークジュエリー 






2羽の白鳥が顔を向かい合わせている美しいアール・ヌーヴォーのペンダントをご紹介いたします。

優れたデザインと作り、、、ひと目で優れた作品とわかる特別なペンダントは

まさにアール・ヌーヴォー運動の渦中で制作された

大変希少な作品であることが資料に残っています。


少しこの作品の背景をお話ししたいと思います。





参考資料 日本の派遣団 中央 徳川昭武


1867年、将軍徳川慶喜の弟、若干14歳の徳川昭武は将軍の名大として

パリで開催されるパリ万国博覧会へ出席する為に

フランスへ国賓として招かれました。


この万国博覧会では、日本の美術品は高い評価を受け、

江戸の芸者が接待する茶屋も大層人気を博したと言われています。



続く1878年、1889年の万博でも日本美術は大きな注目を集め、

日本の美術品への熱気や需要が高まりました。


その中で、日本の美術品を本格的に欧米諸国へ広く伝え、

フランスで大きなブームを生み出すきっかけとなった人物は

ジークフリード・サミュエル・ビングです。





参考資料 ジークフリード・サミュエル・ビング 写真


美術史において「BING」(ビング) という名は

フランスの芸術運動「アール・ヌーヴォー」を知る上で欠かせないものでしょう。


     

    

参考資料 雑誌「Le Japon artistique」(芸術の日本) 1888年 刊行



ジークフリート・サミュエル・ビングは有名な美術商・収集家でした、

日本の美術品がパリ万国博覧会で出品され、日本の美術品の美しさが西洋へ伝わり始めた頃、

彼は日本の美に強く心惹かれ、

美術品買い付けの為に度々日本へ来日していました。


彼は日本で買い付けた美術品を西洋で紹介する傍ら、日本の美をより広めるため、

「Le Japon artistique」(芸術の日本)という、大変なボリュームのある美術月刊誌を発行しました。


また、「Société des amis de l’art japonais」(日本美術友の会) と

アール・ヌーヴォー様式の発展に寄与したギャラリー、アール・ヌーヴォーの館の創立者でもあります。


彼は驚異的な情熱で

多くの日本の美術・芸術を欧米諸国へ広く紹介していたのです。






今回ご紹介をする美しいアール・ヌーヴォーのペンダントは

サミュエル・ビングの息子であり、宝飾家のマルセル・ビングの作によるものです。



2羽の白鳥が互いに顔を向けあっている美しいデザインの

アール・ヌーヴォーのペンダントは

すりガラスのような艶消しエナメルが美しく、

大粒の見事な天然真珠が揺れるように下がっています。

ふっくらとした厚み、ずしりとした重み、、、

一眼見ただけで上質の作品であることが分かります。



サミュエル・ビングは日本の美術品を多く所有し、

美しい美術品で溢れかえるビングの家には

流行に敏感な美術関係者達も多く出入りしていました。


マルセル・ビングは美しい日本美術品に囲まれた環境で育ち、

優れた宝飾家となることができました。





参考資料 マルセル・ビングの肖像 
Albert BESNARD作
パリ プティ・パレ美術館 収蔵 






参考資料 ART NOUVEAU DESIGNERS PARIS SALONS
1895-1914 JEWELLERY BOOK A. DUNCAN 72p



才能豊かなマルセル・ビングの作品群は、

パリの優れたジュエラー達が1895年〜1914年に製作し、展示会で発表したジュエリーを集めて紹介した本、

「ART NOUVEAU DESIGNERS PARIS SALONS 1895-1914 JEWELLERY」でも紹介されていますが、

今回ご紹介する作品も、この本の72pに掲載されています。


ジュエリーとしての美しさだけではなく、

正にアール・ヌーヴォー運動の渦中の中で製作されたことを感じることができる

大変興味深い作品でもあると思います。







美しいグリーンとホワイトのマットエナメル、

そして薄いグリーンのプリカジュールエナメルが施されています。


2羽の白鳥が顔を向かい合わせており、上へ細く伸びた羽が、

ペンダントのフレームとなっている美しいデザインです。

二匹の白鳥の間からも植物が上へ伸びています。



ペンダント全面にエナメルの間を縫うように金線の光が走り、

幻想的な輝きを放っています。


金の品質は18kですが、金の色がやや薄く仕上げられており、

エナメルの色が引き立つように計算されて作られているのを感じます。



そして雫型の天然真珠は大きさが 0.8cm×0.6cm 程と大粒で

この真珠が揺れるように垂れ下がっています。



全体のフォルムの美しさ、バランスの良さは

身につけた時に最も感じて頂けると思います。


大きめのジュエリーでありながら、全く圧迫感がなく、

上品なジュエリーとしての存在感にあふれています。






白鳥の羽毛の雰囲気をエナメルで表現しており美しいです。

エナメル使いのアクセントになっていると思います。


天然真珠はペンダントにふさわしいクオリティのものが選ばれており、

粒の大きさ、形の美しさだけではなく、

まさに銀色の輝きが渦巻くような密度の濃い光を感じます。













作品動画






「ART NOUVEAU DESIGNERS PARIS SALONS 1895-1914 JEWELLERY」に掲載されている

他のマルセル・ビングの作品もご紹介致します。


半裸の神秘的な女性の姿、豊かな髪、エナメルで表現された羽、、、

正にアール・ヌーヴォーのスタイルの典型のような作品だと思います。


この女性モチーフのジュエリーを見たことがあるディーラーさんによると

実物は大変大きくペーパーウェイトのような重さを感じたそうです。





この作品は、今日ではパリの装飾美術館に収蔵されています。




参考動画 エコール ヴァンクリーフ アーペル
 サミュエル・ビングと芸術の日本
美術史家 ジスラン・オークルマンヌ

ジスラン・オークルマンヌはパリのギャラリーにも来てくださったことがある
美術史家の方です^^

ビングと「芸術の日本」についてお話しして下さっており、
「芸術の日本」の貴重な原書も動画でご紹介しておりますので、
是非、ご覧になってください。






ビングの活躍ももう少しお話しいたします。






参考資料 日本の巨匠達 展覧館 ポスター


1890年、ジークフリートはパリのボザール(国立高等美術学校)で、

「日本の巨匠達」と題して日本版画760点の大規模な浮世絵展を開きました 。

この展覧会はサミュエル・ビングのコレクションと、蒐集家のコレクションで構成され

日本美術を愛好するだけにとどまらず、個人的趣向を超えて

西洋美術そのものに日本が影響を及ぼした

「ジャポニスム」という風潮が生まれるきっかけとなり、

この「ジャポニスム」はアール・ヌーヴォー様式に多大な影響を与えました。 





参考資料  アール・ヌーヴォーの館 プロヴァンス通り22番地 


サミュエル・ビングは、日本、インド、中国を旅した後、1884年にギャラリーをオープンしていましたが、

このギャラリーは1895年に「アール・ヌーヴォーの館」となりました。


内装はアンリ・ヴァン・デ・ヴェルデによる美しいもので、

このギャラリーでは日本の美術品は勿論、多くの才能ある芸術家の作品も紹介しており、

まさに当時の流行の最先端をいくギャラリーでした。

アール・ヌーヴォー運動をさらに大きくする役割を果たしていたことは間違いありません。




ビングのギャラリーでは、

エドヴァルド・ムンク、エドゥアール・ヴュイヤール、モーリス・ドニ、

カミーユ・クローデル、ポール・シニャックといった非常に有名な画家の展示も開催されました。

また、当時貧しかったポール・ゴーギャンや、フィンセント・ファン・ゴッホも受け入れました。


さらにアンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ、エドゥアール・コロナ、ジョルジュ・ド・フール、

ウジェーヌ・ガイヤール、ルイス・コンフォート・ティファニー、

ルネ・ラリックなど当時の近代美術家の作品も展示しました。



   

     参考資料 
アール・ヌーヴォー・ビング館のティファニーのグラス展ポスターとジョルジュ・ド・フールの絵画





参考資料 アール・ヌーヴォー・ビング館


1900年に開催された大規模な「パリ万国博覧会」では、

サミュエル・ビングはパビリオン「アール・ヌーヴォー・ビング館」を出展。

装飾はジョルジュ・ド・フールが担当しました。




参考資料 アール・ヌーヴォー・ビング館


アール・ヌーヴォー・ビング館の装飾は、緻密な計算を元にコーディネートされ、

当時の流行、雰囲気をうまく装飾として表現しており

「アール・ヌーヴォー・ビング館」という店名の一部である

「アール・ヌーヴォー」という言葉が様式全体を表す呼び名となったのです。

 



参考資料 マルセル・ビング 写真中央


マルセル・ビングは 父が死去した1905年に「アール・ヌーヴォーの館」のオーナーになり、

父と同様にアール・ヌーヴォー作品やアジアの美術、特に日本美術の作品を紹介しました。 




参考資料 アール・ヌーヴォーとビングの展覧会
 ブリュッセル 2006年



時を超えてもアール・ヌーヴォー作品の美しさは、

アール・ヌーヴォーの名の通り変わる事がありません。

ヨーロッパを圧巻した美術様式に日本の美術品が大きな影響を与えたことは

日本人としても興味深いことだと思いますし、

アール・ヌーヴォーについて簡単にご説明をさせて頂きましたが、

有名な芸術家達が日本の美術品に影響を受けて作った作品も数多くあります、

専門書も数えきれないくらい発行されていますから

興味のある方は、是非、楽しみながら調べてみてください^^




 

 
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国 名
フランス
年 代
1901年
素 材
エナメル 天然真珠 18k
サイズ
7.4cm × 4.2cm 18.5g
コンディション
素晴らしいコンディションです。
作 者
MARCEL BING マルセル・ビング

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