原始キリスト教 魚 イクトゥスのカメオ ダイヤモンド リング
イクトゥスと呼ばれる魚がモチーフの希少な原始キリスト教のカメオをセットした
18世紀のダイヤモンドリングです、
原始キリスト教の作品は非常に稀で数える程しか扱ったことがありません、
イクトゥスはギリシャ語で 魚 を表し、
古代世界において、キリスト教が迫害されていた頃に
ひっそりとイエス・キリストを信仰する人々が互いの信仰を確認する為に使った隠れシンボルでした、
その為、元から数が少なく、
現存する古代のインタリオやカメオの中でも群を抜いて希少です、
古代カメオは、凹凸があるために、インタリオよりも残りにくく
原始キリスト教の作品もまたインタリオが多くカメオは滅多に見られません。
まだキリスト教が迫害されていた頃、
命の危険を感じながらも信仰を貫いた人々の思いが宿ったカメオ、
胸が熱くなる作品です。
小さく、ざっくりとした彫りのカメオです。
現代の感覚でいうと、可愛らしい魚の表現でしょう、
オニキスを上手く利用して2匹の魚と碇、文字を彫り上げています、
原始キリスト教の中でカメオは稀ですが、さらに魚の他に文字も刻まれているタイプは
資料にも残っておらず、初めて目に致しましたので、
本当に希少な作品と思います。
この文字の意味を解読をしようとしましたが、
今のところ、文字の解読はできておりません。
このカメオは18世紀に指輪として仕立てられており、
小さいながら大変瑞々しい上質のダイヤモンドが飾られています。
18世紀、ダイヤモンドは大変貴重でしたから、
この指輪を作った人も、このカメオの価値を知っていた為に、
このような極めて美しく作りの良い指輪にセットしたのでしょう。
リングはイギリス製と思われます。
カメオの碇の中央部分に若干欠けが見られますが、
古代カメオと原始キリスト教作品の希少性を考えれば
全く問題のないダメージです。
今、こうして長い時を経て手元に残っていることが奇跡とも言えるような
美しい作品だと思います。
古代カメオは希少であること、
原始キリスト教の作品は希少であること、
原始キリスト教作品、しかもカメオで、文字が刻まれていること、
18世紀の指輪にセットされていること、
色々な条件が揃った素晴らしい希少性を持つ作品です。
過去に扱った原始キリスト教 作品 2点
左 ガラリヤ湖のペトロ
右 魚 イクトゥスのカメオ
美術館類似資料
左 ウィーン美術館のカタログに掲載されている同じモチーフのカメオ
Die Antiken Gemmen des Kunsthistorischen Museums in Wien", cat. n°2465
右 サンクトペテルブルク ロシアの国立美術館、エルミタージュ美術館コレクションより。
原始キリスト教 魚のインタリオの資料