19世紀のジュエラーMarret freres et Jarry が制作した、
ネオ ルネサンス スタイルの美しいバングルです。
バングルの内側はイエローゴールド、外側がピンクゴールドで
さりげなく2カラーゴールドになっています。
金の表面は綺麗に磨かれている部分と、
無数の点を打ち込んでざらついた質感に仕上げられている部分に別れており、
その対比が美しく、陰影に深みが出ており、
彫金部分は所々ふっくら膨らんでいますので、
細かな立体感に優れており表情豊かです。
ネオ ルネサンス スタイルは、
ルネサンスの様式をそのまま模倣したものではなく、
ルネサンス様式を元に
ジュエラーの感性を生かしてアレンジしたものになります。
このバングルは面白い作りをしており、ワンポイントの飾りなどは、
通常はバングルの中心にありますが、
このバングルは中心を避けて左右に装飾が施されているのです。
その為、可動部分の仕切りが見えなくなっています。
ポイントになっている装飾も、
シルバーに小さなローズカットダイヤモンドを留めて、
高さのあるサファイヤをセットしています、
サファイヤのカットも丸みを帯びた四角に整えられたような面白いカットです。
高さのあるサファイヤですが、摩耗などなく綺麗なお品物です。
透かしが軽やかな彫金です、
艶がある部分と点が細かく打ち込まれている部分に別れており、
深みのある表現です。
さりげなく隠れているキメラも可愛いですね(^-^)
クラスプ部分にも高さのあるサファイヤがセットされており、、、、
ここがボタンとなり、押すと着脱できる作りになっています。
このブレスレットを製作した MARRET et JARRY は、
1826年創業のジュエラーです。
創業者のPierre Marret (1764 – 1857)は
パリ、パレロワイヤル近くのヴィヴィエンヌ通り16番地に最初のギャラリーをオープンします。
Pierreの息子のJustin Marretは
パレロワイヤルの119番地にもギャラリーを構えます、
1832年にジャリー嬢と結婚し、妻の兄弟と共に会社を共同経営とし、
会社名はMarret et Jarryとなります。
1848年、彼らはニューヨークにもギャラリーをオープンしました。
MARRET et JARRY のジュエリー
1878年のパリ万国博覧会では金賞を受賞、
Justinの子供達、Hippolyte と Ernest も経営に加わり、
Ernest Marretはレジオンドヌール勲章の騎士を授けられ、
パリ・オートクチュール組合の
ラ・シャンブル・サンディカル・ド・ラ・ビジュトゥリーの会長でもありました。
MARRET et JARRY のジュエリー
MARRET et JARRY のジュエリー
このブレスレットは1872年〜1878年の間に
Marret freres et Jarry によって制作されたものです。