古代ローマ1世紀　運命のトロイア戦争　レダと白鳥　プラスマインタリオ

レダと白鳥がモチーフのとても珍しいインタリオ、

レダと白鳥のモチーフは古代ローマ時代の作品では珍しいので、

滅多に見ることができず、

さらに、こんなにも美しい彫りの作品であるなら尚更、抜群の希少性だと思います。

レダと白鳥の神話は、

その後の壮大なトロイア戦争の原因となる美女ヘレネーを生み出しますので、

ドラマティックな神話の始まりとして好まれるモチーフです、

レダと白鳥の密通があったこそ、

神、英雄、美女、大軍が登場し、運命が交錯する

トロイア戦争の神話が生まれたかと思うと

胸が熱くなります。

インタリオのクオリティも大変高いものです。

大きさのあるインタリオで、カボッションの丸みを帯びたプラスマが使われています、

表面は綺麗に磨かれており、大変艶やかで彫りがくっきりと浮かび上がります。

石は半透明で、石の中には雲が立ち込めているような質感で、

白鳥に姿を変えたゼウスの力が石にも及んでいるような雰囲気を感じます。

小ささを感じさせない彫りのクオリティが本当に素晴らしく、

レダの後ろ姿の肉付きや、重心の掛かりかた、足元に巻きついた衣服、

レダを覆うように被さっている白鳥など、繊細でいて力強い細部の表現に魅入ってしまいます。

インタリオの彫りの種類は様々ですが、

彫りのクオリティが秀でているものは滅多にありません。

まるで古代彫刻を思わせる優れた彫りだと思います。