1550年頃 ルネサンス エナメル カボッションルビー ハイキャラットゴールドリング
ハイキャラットゴールドの純度の高い金でできており、
手に持つとずっしりとした心地よい重みを感じます、
目に飛び込んでくるのは濃いピンク色の鮮やかで上質なルビー、
当時、遠くビルマやセイロンから旅して運ばれたルビーは入手することが困難で高価でしたし、
特別に美しい色ですから、
このリングのオリジナルの持ち主の目を喜ばせたことでしょう。
現存するルネサンスのリングは、水晶やガーネットなどが使われていることが多く、
ダイヤ、ルビー 、サファイヤ、エメラルドなどの石が使われているものは
本当に珍しく、ルネサンスのリングの中でも特別に高価なものです。
また、ルネサンスのリングは石が取り替えられていることが多いですが、
このルビーはオリジナルのもの、
このような美しい宝石がついたリングを手に入れることができたのは、
ルネサンス時代の肖像画に描かれているような
豪奢な衣装を身に纏った貴族達です。
年代の古いルネサンスのリングは絶対数が少なく、市場には出て来ることはありません、
オークションなどに出てしまうとたちまち高額になってしまいますし、
高級店に並んでしまうとさらに手が届かない価格になります、、、。
フランスやイタリア各地を回って、
このようなお品物を探して来てくれる方々とのつながりがないと
良い価格では、なかなか手に入れることが出来ないリングです。
ルネサンスのリングとして本当に素晴らしいコンディションを保っています、
わずかなエナメルの剥がれは見られますが、古のリングとして通常のコンディションになります、
オリジナルのエナメルの色は赤、青、白の色合い、
ルビーとのコントラストも大変美しかったことが分かります、
16世紀の肖像画の女性が
今回ご紹介をしているリングと同じタイプのデザインの指輪を身につけているのを見つけました。
このように、このリングを身につけて、
ルネサンスの芸術に触れるのも大変贅沢な時間になることでしょう。
ベゼルとシャンクの力強い装飾からも当時の流行を感じさせます。
所々残るエナメルは失われた彩画のようですね。
リングが歪な形であるのも、約500年の時の流れと
金の純度の高さを感じさせます。
裏面の装飾はマルタ十字です。
16世紀のマルタの騎士の肖像
Portrait of Carlo Alberto Rati Opizzoni in Armour
Lodovico Carracci
1597
大変良い職人と出会いましたので、
サイズ微調整をすることができます。