古代ローマ 1世紀 勝利のウェヌス ウェヌス・ウィクトリクス ニコロ インタリオ
黒と薄い青の2層の美しい石は、非加熱のオニキス、ニコロです。
粘土に押した画像をみるとよく分かりますが、
全体のバランスが良く、細部まで大変優れた美しい彫りです。
モチーフは美の女神ウェヌス、この官能的な後ろ姿のポーズの女神は
ウェヌス・ウィクトリクスと呼ばれ、勝利のウェヌスという意味を持っています。
これは女神の側面を知らせる添え名のようなもので、
他にはウェヌス・アウレア(黄金のウェヌス)、
ウェヌス・カエレスティス(天のウェヌス)
などがあります。
後ろ姿のウェヌスは、右手に兜を持ち、柱に肘をついた手には槍を持ち、
腕に絡められた薄布はドレープを描きながら足を覆っています、
足元には丸い盾が置かれていますが、
彫り込まれている武具は女神の恋人である戦の神マルスのもの、
戦の神にとって大切な武具を女神が持っているということは、
愛によってウェヌスが戦の神のマルスに勝利した、
愛は力に勝利する事ができるという意味を持ち、
それゆえのウェヌス・ウィクトリクス
勝利のウェヌスという意味を持っているのです。
ニコロは、この薄い青色の層がなんとも言えず美しい色で、
この石に彫りを施すと、霧の向こうに神がいるような雰囲気が生まれます、
その美しさ故に好まれた石ですが、珍しい為になかなか見ることが出来ません。
ルースの状態ですので、リングやペンダントに加工することが出来ます。
ボストン美術館 所蔵品
ボストン美術館所蔵のウェヌス・ウィクトリクスのインタリオです。
今回サイトでご紹介をしているインタリオの方が品質は良いです。