古代ギリシャ神話の英雄テセウスをモチーフにしたアメジストの素晴らしいスカラベ、
古代ギリシャ時代のお品物です。
( 金具は現代のもの、チェーンはアンティークのものになります。)
本物の古代ギリシャのスカラベやインタリオ は本や資料の中では見たことがありましたが、
こうして扱うのは初めてになります。
モチーフである英雄テセウスは古代ギリシャの代表的なモチーフ、
石の形はアルカイック期によく見られるものですが、
外枠の縁取りの彫りも合わせて紀元前1世紀頃まで
見られるスタイルです。
古代ギリシャの品物は本当に希少で滅多に流通しませんし、
こんなにも美しいスカラベは美術館級のお品物ですから、
私の手元に来てくれたことに心から感謝したい美しいお品物です。
モチーフのテセウスはヘラクレスのような活躍をするアテナイの英雄、
迷宮の怪物ミノタウルスを退治したり、金羊毛を探す勇士としてアルゴー船に乗り込んだり、
テセウスの神話は調べてみるととても面白いので、
興味のある方は是非調べてみてください(^-^)
こちらは粘土に押した画像です、
均整のとれた美しい肉体、大変キレのあるスッキリした素晴らしい彫りが浮かびあがっています、
テセウスは大きな盾を背負い、身を屈めて兜を手にとっています、
そして足元には鎧が彫り込まれています。
( 左側の縁がやや欠けていますが、年代を考えれば全く問題のないダメージです。)
これは英雄テセウスの旅立ちを象徴するような有名なシーンで
後の時代に絵画や彫刻にも登場します。
古代ローマ1世紀 壁画
テセウスが大岩の下から武器を見つけています。
Theseus Discovering his Father's Sword
Antonio Balestra(1666-1740)
このように壁画や絵画でテセウスが大きな岩を持ち上げて武器を見つけているシーンの由来は
テセウス誕生前までさかのぼります。。。
Themis and Aegeus
Attic red-figure kylix, 440–430 BC
デルポイで神託を授かるアイゲウス
アテナイの王アイゲウスは子に恵まれず、
なぜ子に恵まれないのか、デルポイの神託を聞きに行きましたが、
帰りに立ち寄ったトロイゼーンでアイトラー姫と出会い、
アイトラー姫はアイゲウスの子を宿します。
アイゲウスは、アテナイに帰国する日、
大岩の下に武具を隠し、もし生まれてくる子が男子であり、
この大岩を動かして武具を手に取れるくらいに強くなったら
父がアテナイの王アイゲウスであることを伝えよと、アイトラーに伝えて
トロイゼーンを去ります。
この美しいスカラベにも彫り込まれているように、
16年後、テセウスは立派な青年に成長し、
大岩を動かせるほどの怪力を身につけていた為、
父王アイゲウスに会いに行くために岩の下の武具を手に取り
アテナイへの旅に出ます。
その後、テセウスは生涯にわたり、数々の冒険をこなすのです。
古代ローマ 迷宮クノッソス宮殿にて、テセウスのミノタウルス退治
床モザイク
Master of the Campana Cassoni, 1500-1525
Theseus and the Minotaur, c. 1500 and 1525
古代ギリシャという希少な年代のスカラベというだけではなく、
素材がアメジストであるのも大変贅沢で幸運なことです。
インタリオ はほぼコーネリアンが多いですから、アメジストというのは本当に希少ですし、
色もとても綺麗なアメジストが使われています。
大きさは1.9cm×1.5cmあり、スカラベで立体的な形ですから
実際のサイズより大きく見えます。
スカラベには三本の縦穴が開けられており、
古代の宝飾品として金具にしっかりセットされていたことがわかります、
この穴の開け方も、古い穴の開け方で、
一つ一つの作りから古代の古いお品物であることが伺えて
胸が熱くなります。
今は、その穴を利用して金の金具がつけられています、
スカラベの曲線に沿って綺麗に作られておりますが、
もう少し厚みのある金具に変えることもできますので
ご相談くださいませ。
インタリオの彫り部分も美しいですが、本当に美しく洗練されたスカラベで、
表面が波打っているような形をしており、
ついつい見惚れてしまいます、、。
合わせているチェーンはアンティークのものになります。
程よい大きさで身につけても本当に綺麗です。
チェーンはアンティークの物を合わせていますが、
古代のネックレスのように細い金線を紐のように細かく編み込んだタイプのものも
職人に作らせてご用意可能ですので、お問い合わせくださいませ。