ルネサンス 16世紀後期〜17世紀初期 アテナ カメオ リング
大変希少なルネサンスのカメオ。
モチーフは武装したアテナです、
力強さと繊細さの相反する要素を同時に感じさせる
素晴らしい彫りといえると思います。
ここまで拡大しても彫りが乱れないのが素晴らしいですね。
横向きの顔や、首元で風にそよぐように表現された巻き毛、
髭の生えた男の装飾が施された兜、鱗のような鎧、全てが精緻で
細い筆で細部をじっくり描き込んだような彫りです。
特に兜などは肉眼で見てもよく見えないほどに細かな箇所があり、
ルーペ で覗き込んで初めて何が彫られているのか分かることに驚きます。
年代は古く、16世紀後期から17世紀初期の作、
このような年代の古いカメオは滅多に残っておらず、
残っていたとしてもカメオは大きくどこかがヒビ割れていたり、
欠けたりしていることが殆どですが、
このカメオには、よーく見て初めて分かるような極めて僅かな欠けが
鼻の部分にあるだけですので、素晴らしいコンディションの良さです。
ここまでコンディションの良いものは本当に出会うことがありません。
カメオは各年代によってスタイルが全く異なり、
それぞれに良さがあると思っていますが、
同年代の絵画や彫刻等と同じ特徴を持っていることも多く、
小さな彫刻芸術作品であることが強く実感できて
そこも魅力の一つと思います。
同年代のカメオ 参考例
このカメオはルースで買い付けましたので、雰囲気を壊さぬように、
シャンクは職人に依頼して、18世紀のスタイルで作らせました。
裏面の放射状の模様もとても美しい出来栄えで、
言わなければアンティークとは分からないくらいです、
カメオにぴったりの美しいリングに仕上げることができたと思います。
ショルダーの装飾も綺麗に仕上がりました。
16世紀 アテナのデッサン
ルネサンスのカメオはそうそう市場には出てきませんし、
年代の古いカメオは、やはりロマンがあります。
この雰囲気に惹かれた方には是非おすすめしたいカメオです。