Girometti ジロメッティ 聖母マリア カメオ 天然真珠フレーム ブローチ
イタリアの宝石彫刻師ジロメッティのサインドピース。
触るとひんやりと冷たく、重みがあり、
石を通して静寂が伝わってくる聖母のカメオ、
まるでカメオを通して小さな教会を手のひらに乗せているような感覚を覚えます。
大理石彫刻を思わせる抜群の彫りの良さ、
やや伏し目がちの聖母の穏やかな表情も美しく、
静けさの中に確かな強さが感じられます。
皮膚の部分はマットに磨かれておりますが布の部分は艶が出るように磨かれ、
その対比が美しいです。
カメオを飾るフレームの上質の天然真珠の粒の大きさにも驚かされます、
真珠は大変貴重な素材でしたし、大粒のものをここまで形や色を揃えてフレームに留めており、
ロイヤルブルーのエナメルに加えて真珠のピュアな輝きが聖母にぴったりで、
全体の素晴らしいハーモニーを感じます。
作品左側にジロメッティのサイン入りです。
作者ジュゼッペ・ジロメッティはローマの宝石彫刻師で、
19世紀前半に最も重要な彫刻師の一人でした。
古典カメオの研究や模倣も行い、
当時の権力者であったナポレオンの家族の肖像をカメオで作ったことでも有名です。
エナメルは上部のやや右側、下部のやや右側の二箇所が若干薄く剥がれておりますが、
アンティークとしては許容範囲のコンディションでしょう。
作品動画