緻密な紋章 ユニコーン コートオブアーム リング
19世紀初期の素晴らしい宝石彫刻の紋章のリングです。
実物はベゼルが写真よりもずっと小さいですから、
大変緻密な彫りになります。
メンズリングですがサイズが大きすぎないので、
女性が身につけても、とても格好良くシックなリングです。
貴族の紋章は数限りなくあり、こちらは調べるととても面白い分野です。
紋章学に携わる人達は忘れ去られた一つの紋章がどの貴族のものであったかを
膨大な資料から生涯をかけて調べることがあります。
紋章は貴族同士の結婚によっても意匠が変わりますし、
地方や国によっても違いがでます、
男性と女性で身につける紋章の形が違うこともあり、
あ、この紋章は男性だな、この紋章は女性だなとわかりますので
リングのデザインと合わせて見るのも楽しいですね。
今日でも紋章のリングを身につけている貴族の方も少なくありません。
この紋章のデザインはユニコーンがヘルメットの上に飾られたデザイン、
どこの家の貴族の紋章かはわからなかったのですが、恐らくスイスの貴族のものと思われます。
中央下部の盾の部分には人物が彫り込まれていますが、
さりげなく、石の磨き方を変えることで興味深い意匠になっており、
よく見ると人物の頭の周りが半円で囲まれているようになっています、
カルロ・クリヴェッリ マグダラのマリア
聖人の頭の周りには、このように光の輪が囲んでいるのですが、
この紋章を彫った彫刻師は石の磨き方を変えることによって
聖人のような光の輪を表現したかったのでしょう。
この盾の中の人物が聖人であるのか、持ち主であるのかはわかりませんが、
丸い線を彫り込むのではなく、磨き方を変えてさりげなく、
柔らかな「光」を表現しているのが良いなと思います。
シャンクにも立体的な彫金が施されており、
中は空洞になっているタイプです。
華麗な全体像をご覧ください。



立体感とボリュームのあるシャンクです。
こちらは粘土に押した画像になります。


男性でも女性でも素敵に身につけて頂けるリングです。
